なぜ血液型が存在するの?
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すべてのヒトの体内には血液が流れており、これは生きるために必要不可欠なものです。この血液の中には血球と呼ばれる赤血球・白血球・血小板からなる物質が存在し、この血球が持つ抗原の違いをもとに分類される「血液の種類」のことを「血液型」と呼びます。
この「血液型」という概念はいつ発見され、どれくらい昔から存在するものなのでしょうか。
「血液型」という概念は1900年にオーストリアの医学者カール・ラントシュタイナー博士によって発見されました。
ラントシュタイナー博士は1901年に血液型に関する論文を発表し、のちの1930年には血液型発見の功績からノーベル生理学・医学賞を受賞しています。それ以来、科学者たちはテクノロジーの進化と共に発展してきたさまざまなツールを駆使して血液型を生物学的に調査し続けており、その成果として「血液型がヒトの健康にどのような影響を与えるのか」といったことに関する手がかりも見つかっています。
血液型を決めるのは?
人間の身体は約30兆個の細胞でつくられており、それぞれの細胞の表面には「糖鎖(とうさ)」と呼ばれる鎖が生えています。糖鎖とは、ブドウ糖などの糖が鎖状につながった化合物です。
血液型は、赤血球の表面にある糖鎖の違いで判定します。O型の人は、3個の糖がつながった糖鎖を持っています。A型の人はO型の3個の糖に加えてA型になる糖を1個持っていて、B型の人はO型の糖に加えB型になる糖を1個持っています。つまりA型、B型のもとになっているのはO型です。AB型はA型とB型の糖鎖をそれぞれ持っています。
糖鎖がウイルスの蔓延を防ぐ?
ところで、なぜ血液型が存在するのでしょうか。21世紀になってからウイルスの蔓延を防ぐためという説が発表されました。ウイルスは細胞外に出るときに細胞表面の構造をまとうのですが、これには各血液型の特徴が刻まれています。
それがまた別の身体に侵入すると、異なる血液型の構造がウイルスと一緒に身体に入ってくることになり、抗体(生体が抗原の進入に反応して体内に形成する物質)が集中攻撃するので感染しにくいというのです。血液型の存在は、種の絶滅を回避するためのリスクヘッジになっているというわけです。
まだまだ未知な血液型
ヒトがまだまだ血液型に関して無知であることは、1952年にムンバイで明るみになっています。1952年、ムンバイにてとある医学者がA型にもB型にもO型にもAB型にも当てはまらない血液の患者を発見しました。
この血液型は最初に発見された土地の名前からボンベイ型と呼ばれ、100万人に1人の割合で存在するという稀血のひとつとしても知られます。
科学者によるとボンベイ型だからといって何かしらの害があるというわけではないようですが、ボンベイ型に輸血するにはボンベイ型の血液が必要なので、輸血用の血液を準備するのが非常に大変、とのことです。
また、血液型と疾病の関係性について研究を進める研究者も存在します。最初に血液型と疾病の関連性に気づいたのは20世紀中盤のことで、ウェストミンスター大学のPamela Greenwell氏によれば、「血液型と伝染病の間には既に多くの関連性が見つかっており、がんやその他の疾病との間にもいくつかの関連性がみられる」とのことです。
Greenwell氏によれば、血液型A+のヒトは、膵臓がんや白血病、天然痘、心臓病、重度のマラリアなどにかかりやすく、O型ならば潰瘍とアキレス腱断裂に弱いそうです。
その他の血液型のヒトにもそれぞれ何かしらの疾病に強い弱いといった特徴があるようですが、血液型と疾病のつながり自体は見えているものの、「どういうわけで血液型と疾病に関連性が生じているのか」までは不明なままです。
さらに、血液とは全く関係のない血液型と疾病の間のつながりも存在します。例えば猛烈な嘔吐と下痢を引き起こすノロウイルスは、血球に害されることなく腸の細胞まで侵入してくるウイルスです。
血液型の種類を決める血球が働かないにも関わらず、ノロウイルスの感染率は血液型ごとに異なっています。この謎は血球が血液型抗原を生成するただひとつの細胞ではないということを示す重大な発見につながり、血液型抗原は血管壁や気道、皮膚、毛髪からも生成され、さらには唾液にも血液型抗原が含まれる、ということが判明しました。
それぞれの血液型の特徴
A型とは
人口比率(日本):38%
ルーツ:紀元前2万5,000年から1万5,000年頃にアジアや中東で農作業を始めた民族の中から誕生しました。農耕で生計を立てていたため、主食は、米や小麦などの穀物だったため、ルーツが「狩猟民族」であるO型に比べると消化器官や免疫系はO型とはかなり異なります。
A型の動植物:猫、魚、ブタ
A型が多い国:ノルウェー、フィンランド、トルコ
長所:几帳面、気配り上手、真面目
短所:神経質、我が強い、一目を気にする
適職:公務員、事務職、教師
O型とは
人口比率(日本):31%
ルーツ:もっとも古い歴史を持つ、O型の起源はなんと約4万年前とも言われています。アフリカ生まれのクロマニヨン人に由来し、狩猟民族が多く、肉などを主食としていました。現在でも一番多い血液型とされています。
O型の動植物:植物全般(8割)
O型が多い国:アメリカ、ケニア、ナイジェリア
長所:社交的、おおらか、小さなことで悩まない
短所:おおざっぱ、調子にのりやすい、トラブルメーカー
適職:タレント、政治家、弁護士
B型とは
人口比率(日本):22%
ルーツ:約1万5000年前から1万年前にヒマラヤ山岳地帯に現れた「遊牧民」がB型の起源と言われています。その後、白人種と蒙古(もうこ)人種の混血種が居住するインドやウラル地方で、すぐにユーラシア大陸を支配していた遊牧民の特徴となりました。今でもインドの方ではB型の割合が高いです。
B型の動植物:ウシ、クジラ、カメ、ゴリラ
B型が多い国:イラン、パキスタン、インド
長所:マイペース、好奇心旺盛、プレッシャーに強い
短所:飽きっぽい、自己中心的、団体行動は苦手
適職:詩人、画家、デザイナー、芸能関係
AB型とは
人口比率(日本):9%
ルーツ:AB型は新人類とも言われまだ1,000〜1,200年ほどの浅い歴史しかないと考えられています。A型(農耕民族)とB型(遊牧民)の配合だと言われており、それぞれの特徴を受け継いでいるところが特徴的です。いまだに、AB型は世界の人口の5%の満たないカズしかおらず、かなり貴重な存在だと言えます。
AB型の動植物:蛙、すもも、コンブ
AB型が多い国:なし
長所:天才肌、感受性が強い、要領が良い
短所:ナイーブ、べたべたした付き合いが嫌い、打算的
適職:美容関係、イラストレーター、アナウンサー
まとめ
今回は血液型に関しての歴史と各血液型の特徴をご紹介しました。皆さんもご自身の血液型があると思いますが、今一度どのような特徴があるのかを深堀してみると面白い発見があるかもしれないですね。最後に私がおすすめするリンク先を掲載しておきますので、ぜひご覧ください。
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