セルフメディケーションに関して
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皆さんは健康に意識していますか?最近では予防医学にかんして興味を示している方も多いです。今回はセルフメディケーションに関してお伝えしたいと思います。
セルフメディケーションとは
最近、新聞、テレビなどのメディアもよくとりあげていますので、言葉としては大分普及しているようです。しかし、正しく意味を把握している方はまだ少ないようです。
典型的な外来カタカナ語ですが、適当な日本語訳または相当する概念がありません。セルフは自分とか、自己という意味です。
メディケーションは病気を治すという医療という概念を表す言葉です。両方をつなげると「自分で疾病を治す」ということになりますが、少しニュアンスが違っています。
日本では、病気は医者にかかって治してもらうという考えか古くから受け継がれてきました。戦後の社会保障制度の一環としての国民皆保険制度においてもこれは継承されました。
特に乳幼児の死亡の原因だった病原微生物による感染症や外科的療法が主である急性期医療においてはそれが著明でした。しかし、メディケーションは必ずしも急性期医療に限らず、慢性疾患の予防・治療や健康の維持ということも含まれます。
食事内容の変化や近代社会のストレスが関与するといわれている生活習慣病が増えています。高齢化が進みますと、当然退行性疾患も多くなります。
身体をこのような疾患から守るのは、「自分で自身の健康を管理する」ことです。これがセルフメディケーションの概念といってよいでしょう。これは、医師に頼らずに自分勝手な健康法を行うということではありません。
また、急性期医療や救急体制の整備、高度先進医療を否定するものではありません。
「健康管理」ということをもう少し具体的に考えてみましょう。まず、自分の健康に関心をもってください。身体はかけがえのない「自分自身のもの」です。他人や医療関係者任せにしないで、自分を大事にしましょう。
素人ではと言う前に、わからないことは聞きましょう。医師や薬剤師、その他の医療関連の専門職能従事者はセルフメディケーションを支援する役割を担っています。関心をもつと、自分の健康状態を常にチェックしてみようと考えるようになります。
これをセルフチェックと言いますが、最近はチェックをする道具、たとえば体重計など機能的にも優秀なものが手に入ります。体温計で熱を測ることともセルフチェックです。
熱があって、かぜの徴候と判断したら、早めに安静にして症状を緩和する薬(一般用医薬品)を使います。メディケーションは治療を意味しますから、このように大衆薬を使って症状を治すという定義をいう方もいますが、かぜにかからないための生活改善を実践するといった範囲を広げて考えることをSMACは提唱しています。
最近世界の先進国では、医療の主流はセルフメディケーションと呼びかけています。
「セルフメディケーション税制」とはどんな制度なの?
一言で言うと、OTC医薬品の購入額がある一定の額を超えたときにその金額分が、課税所得から差し引かれる制度です。つまり、結果的に税金の負担を抑えられるおトクな制度なのです。
本人または生計を一にする家族がOTC医薬品を購入した際に、その年間の合計額が税込12,000円を超えた分(上限88,000円)について、所得控除を受けることができます。2017年1月から購入した分に適用され、翌年の確定申告で申請できます。
この制度が始まった背景として、医療費の増加があります。症状の軽い病気であれば、病院などの医療機関を受診するのではなく、医療用医薬品と同じ成分を含んだ市販のOTC医薬品を活用して健康管理を行うことで、医療費を減らそうという意図があります。
また、税の控除が受けられるメリットがあるこの新税制で、先ほどの「セルフメディケーション」を推進し、自身の健康管理や疾病予防の意識を高めたいという狙いもあります。
「セルフメディケーション税制」は誰でも利用できるの?
この制度の対象となるのは、以下の3つすべてにあてはまる方です。
・所得税、住民税を納めている。
・申告対象となる1年間(1月~12月)に、特定健康診査(メタボ健診)、予防接種、定期健康診断(事業主健診)、健康診査、がん検診のいずれかを受けている。
・現行の医療費控除を受けていない方
なお、注意点として、セルフメディケーションによる所得控除と従来の医療費控除を併用することはできません。ですので、どちらを適用するかはご自身で選択してください。
すべてのOTC医薬品が対象なの?
すべてではなく、医療用医薬品で使われている薬効82成分が含まれているOTC医薬品(スイッチOTC医薬品)のみが対象です(2017年1月1日~2021年12月31日までの間に購入したもの)。
セルフメディケーション税制の対象となる商品パッケージには下のようなマークがついています。
医療費控除とは
1月1日~12月31日の1年間にかかった医療費の一部を所得から控除し(簡単にいうと、「所得」というのは税率をかける前の金額のこと。医療費控除はこの税率をかける前の金額を減らすことができます)、税金(所得税)が還付・減額されるという制度です。1年間に支払った医療費の合計が10万円(注1)を超えた場合にこの制度が利用できます。
(注1)その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等5%の金額
医療費控除の対象となるものは?
セルフメディケーション税制の対象となるものは対象のスイッチOTC医薬品に限定されるのに対し、医療費控除の対象となるものは病院の窓口で支払う医療費や処方箋等の医薬品のほか、通院に係る公共の交通機関の交通費や通常の入院代に含まれる食事代等範囲が広くなります。
また、美容のための歯科矯正は対象外ですが、発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象になります。
試算してお得な方を選びましょう
どっちがお得!?の試算は比較的簡単にできますので、確定申告の前に試算してお得な方を選択するようにしたいですね。
なお、セルフメディケーション税制を選択して確定申告書を提出した場合には、その後において更正の請求または修正申告書を提出するときに、セルフメディケーション税制から医療費控除への適用を変更することはできません。その逆も同様ですので注意が必要です。
まとめ
セルフメディケーションに関していかがでしたか?皆さんも普段から健康には気をつけて人生100年時代を楽しく過ごせるようにしましょう。最後に私がおすすめするリンク先を掲載しておきますので、ぜひご覧下さい。
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