ネコを拾ったら・・・・?

もし近所や出先で捨てられた子猫を見つけたらどうしますか?

捨て猫、特に子猫を発見した場合は迅速に対応しないと、免疫力もなく体が弱い子猫はすぐに死んでしまいます。

それでは、捨て猫に出会ったときの正しい対応とはどのようなものでしょうか。

 

 

捨て猫を見つけたら?

捨て猫だと思って保護した子猫が、実は親猫とはぐれた野良猫だったり、飼い主の家から脱走した飼い猫だったりするケースがあります。猫を保護、拾う前に本当に野良猫かどうかをしっかり確認しましょう。

子猫の場合は、周りに母猫がいるかもしれません。子猫をすぐに拾う前に、周囲に母猫らしき猫がいないかしっかり確認しましょう。

成猫の場合は、野良猫と思っていたら実は飼い猫、迷い猫である可能性もあります。また周囲の保護ボランティアさんがお世話をしている地域猫などの可能性もありますので、ご近所の人に聞いてみることもおすすめします。

ちなみに、耳にカットが入っている猫は「さくら猫」と言って、避妊・去勢手術済みの証ですので、地域でお世話をされている可能性が高いです。(飼い猫でも保護猫出身の場合はさくら猫がいますので、一概には言えません。)

子猫で周りに母猫がいない場合は、野良猫である可能性が高いですが、成猫の場合は飼い猫・迷い猫であることも多いので、すぐに保護する前に写真を撮って、迷い猫の掲示板や近くの動物病院に迷い猫の情報が出ていないかも確認しましょう。

また、マイクロチップが入っているかもしれないので、動物病院でマイクロチップの有無も確認してもらいましょう。子猫を拾ったときは最寄りの警察に「拾得物届出」を提出してください。届けを出してから3カ月経っても飼い主が現れなければ、保護した人が正式に子猫の飼い主となります。

 

ネコを拾ったら最初に動物病院へ連れて行こう

野良猫を拾ったら、子猫、成猫関わらずまず動物病院へ連れて行きましょう。
動物病院では適切な処置をしてくださるはずですが、健康な猫の場合はまずは最初にやるべきは寄生虫の駆除です。もし怪我をしていたり、緊急性の高い病気だった場合は治療を優先させます。
その後、ウィルス検査やワクチン接種を行いますが、子猫の場合は月齢によってはできなこともあります。

まずは保温 !

時間的に動物病院が閉まっていて連れていけない場合は、まずは体を温めましょう。

月齢にもよりますが、子猫は体温調節が苦手であるため、体を温めることを優先してください。

特に生まれて数日しか経っていないような仔猫は、夏場でも保温が必要。

 

多少汚れがあっても濡らさないでください。

毛布やお湯を入れたペットボトル、ホッカイロなどを使う場合は猫が火傷しないように気をつけましょう。

寝床は猫がすっぽり入る大きさの箱を準備。(段ボールがおススメです)

箱の底が安定したもので温かい環境を用意してあげてください。

 

また、捨て猫は飢餓状態で激しく体力が消耗していることが多いもの。

成長段階に合わせて適切なエサの種類と量が必要です。最近ではコンビニでも取り扱いがあるので、必ず猫用のミルクやキャットフードを用意しましょう。人間用の牛乳は下痢になりやすいためおすすめできません。

月齢1~2か月以内なら子猫用ミルク、それ以上ならドライフードやウェットフードを与えます。

そのあとに、動物病院に連れて行ってください。行く前に必ずご連絡をしてください。

 

また、トイレのケアも非常に大切です。
生後まもない子猫には、自分で排泄する力がありません。母猫が子猫のお尻をなめて排泄を促すように、人間の手でサポートしてあげる必要があります。
子猫の排泄サポートは、ミルクを与える前後に行います。
ぬるま湯で湿らせた脱脂綿やティッシュ、トイレットペーパーなどで、子猫の陰部や肛門の周辺をトントンと優しく刺激してください。子猫の皮膚は非常に柔らかく傷つきやすいため、なかなか排泄しないからといって擦りすぎないようにしましょう。
子猫が成長し自力で排泄できるようになったら、トイレのしつけをスタートします。
トイレ用の小さな箱に猫砂やペットシートを敷いたものをいくつか用意します。箱の高さは、子猫が自分で入れる高さ(10cm前後)のものを選びましょう。

 

 

里親に出すか、自宅で飼うかまだ決まっていはいないけど、ひとまず一時的に拾った猫を自宅で保護する場合、以下のようなものが最低限必要になります。

【トイレ】
まずはトイレです。
子猫の場合は小さ目のダンボール箱に新聞紙を細かく切ったものを入れておくといった簡易的なトイレでも大丈夫なことが多いですが、ある程度しっかりうんち、おしっこができる猫の場合は、プラスチックの容器などの中に市販の猫砂を入れる猫トイレが必要です。
箱は100円ショップなどにあるトレイなどでも大丈夫ですので、猫砂は市販のものを用意してあげましょう。

【ご飯とお水】
ご飯、お水の器なども必要ですが、一時的に保護するだけでしたら、猫用でなくても使っていい器があれば大丈夫です。
紙皿などでひとまず代用でも問題ありません。

【ケージ】
生後3週齢程度までであれば、段ボールの中でも大丈夫ですが、生後1か月以降ではダンボールなどはすぐに飛び越えて出てきてしまいます。
できれば1階建てで良いのでケージを用意して、その中にトイレやご飯・お水をセットしてあげましょう。バスタオルや小さい毛布などでもいいのでふわふわの寝床も必要です。

ケージは今後も飼う予定であれば、2段、3段のものがおすすめですが、一時的に保護するためでしたら、1段の低価格なもので十分使えます。

 

 

里親探し

猫を保護したけれど、住宅環境や家族のアレルギーなど様々な理由から、自宅で飼うことができない場合もあるでしょう。

そのときは、里親を探すことになります。

里親探しには、いくつか方法があります。

①動物愛護相談センターや動物保護団体に相談する
専門の民間団体やボランティアに相談する方法があります。また、行政機関でも民間と協力して殺処分を減らす活動を行うところも増えています。お住まいの地域の情報を調べてみましょう。

②地元のコミュニティ誌やフリーペーパー紙面上で募集をかける
読者からの投書欄などで、子猫の譲渡を呼びかけます。無料掲載できるものもあるため、お住まいの地域で配布されている情報誌を当たってみるといいでしょう。

③近所や知人に声をかける
猫を飼ってくれそうな隣人や知人がいる場合は、引き取ってもらえないか声をかけてみるのも一つの手です。声掛けの際は、拾ったときの様子や子猫の健康状態をしっかりと伝えることが大切です。

④里親募集サイトやSNSで募集をかける
インターネットには、子猫の里親募集サービスを提供しているサイトが多数存在します。里親募集サイトを使用するときには、利用条件は整備されているか、譲渡実績は十分か、掲載情報は信用できるものかといった重要なポイントを、見極めてから決めると安心です。
また、里親譲渡の記事をサイトに掲載する際は、子猫の外見上の特徴、健康状態、トイレのしつけの状況、去勢・避妊手術の有無なども記載しておきましょう。

 

 

 

急に子猫を拾ったときでも、慌てず一つ一つ対処することが大切です。

 

命を救うことにもまた責任が伴うことを覚えておいてください。

「自分はたまたま捨て猫を拾ってしまっただけで、責任も費用負担も負いたくない」という人も中にはいるでしょう。

たしかに、猫を救っただけでも素晴らしい行動ですが、その一歩先の、猫の将来についてさらなる誠実さを持っていただければ幸いです。