和食の歴史と文化
ユネスコ無形文化遺産にも登録され、「ヘルシーフード」として海外でも人気の高い和食。
私たちが現在日常的に口にしている和食は、どのように誕生したのかご存じですか?
外国人の方と会話をする際に、日本の和食についての話題があがることもあるでしょう。
普段日本にいる際にはあまり深くは考えないかもしれませんが、日本の食文化について理解を深め、和食に関する正しい知識・教養を広げることで、外国人の方とのコミュニケーションの幅も広がります。
今回は和食の歴史について解説していきます。
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【和食の歴史】
現在は、和食という言葉が当たり前に使われていますが、この言葉が歴史的にいつの時点で使われ始めたかご存知でしょうか?実は、1898年(明治31年)に、石井泰次郎の日本料理法大全と呼ばれる書物によって、日本料理という言葉が使われ始めるようになり、それ以降に自然と和食という言葉が普及していくようになりました。
文明開化の時代に入ってきた西洋料理のことを「洋食」と言い始めましたが、これに強い影響を受けて和食という言葉が同時に誕生するようになりました。そのため、江戸時代の以前より日本に存在する日本の料理のことを、和食と定義する人もいます。
和食は、中国から伝わった精進料理によって飛躍的に進歩し始めます。精進料理とは、肉や魚を使わず、植物系の食材を使う料理です。これは、仏教の教えの一つ「殺生をしない」というところから始まっています。今でも、禅寺院には食事を担当する「典座(てんぞ)」という役職があり、精進料理はこの「典座」の努力によって、発展してきたといわれています。
当時の日本では、食材を焼く、蒸す、ゆでる、という調理法が基本であり、これに「出汁を使って煮る」とか、その前にあく抜きをする、水煮という「下ごしらえ」が加わりました。
室町時代には、「本膳料理」と呼ばれる料理法が誕生し、確実に一歩ずつ和食の文化を確立していきます。そのため、現在の和食文化は、室町時代に確立したという考え方もあるようです。
その後、江戸時代になると、たくさんの料理店で和食が提供されるようになり、テイクアウトする文化も誕生するようになりました。食べ物を持ち帰るという食文化は、比較的新しい習慣のように感じますが、実は江戸時代にはすでにテイクアウトのスタイルがあったのです。
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【4つの要素】
和食の歴史は、食材や料理、栄養、もてなしなどの4つの要素がそれぞれ発展しながら、継承されてきました。
ここでは、それぞれの要素の意味を詳しく確認していきます。
- ■食材:日本には、春・夏・秋・冬などの明確な四季があり、雨の日が多いことから湿地帯に属します。そのような気候のおかげで、稲などの農作物やきのこ、山菜などの多彩な野菜(食材)が豊富にとれます。
- 他にも、黒潮と親潮がぶつかる日本の海には、たくさんの魚や貝、海藻など、さまざまな生き物が生息しており、海の食材に非常に恵まれています。
- ■料理法:日本には、豊富な水資源が眠っています。その結果、茹でる、煮る、蒸すなどの水を使った料理法が発達しました。他にも、日本の職人たちの手によって作り上げられた調理器具によって数々の和食が誕生しました。
- ■栄養:和食は、一汁三菜と呼ばれているほど、栄養バランスが意識されています。比較的、低カロリーで作られており、バランス良く栄養が吸収されやすくなっています。
- ■もてなし:和食には、お客さまを大切にもてなす文化があります。床の間のしつらいや料理の味わい、盛り付け方、使用する器など、味覚以外にも視覚でもお客さまをねぎらいます。
料理中の箸使いや立ち振る舞い、季節の演出、食事の場に施される趣向を共有し、お互いを思いやる心が和食の歴史を形成しています。
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【和食の4つの特徴】
1.多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
“日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達しています。
2.健康的な食生活を支える栄養バランス
“一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。
3.自然の美しさや季節の移ろいの表現
“食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴のひとつです。季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。
4.正月などの年中行事と密接な関わり
“日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきました。
【和食特有の旨味の成分とは】
旨味は、5つの基本味の一つです。
その基本味とは、どれを組み合わせてもつくることのできない独立した味のことで、以下5つのことを指します。
1. 甘味
2. 酸味
3. 塩味
4. 苦味
5. 旨味
この旨味を世界で初めて発見したのが、池田菊苗博士(東京帝国大学)です。
1908年に池田博士が、昆布から旨味の成分を取り出すことに成功し、その正体がグルタミン酸というアミノ酸であることを解明しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
和食の歴史や文化について解説していきました。
豊かな四季がもたらす自然に寄り添って生きてきた
日本人の精神というものをもう一度考えるのも新しい発見があっていいかもしれません。
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