営業職がwithコロナの時代を勝ち抜くには?
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新型コロナウイルスの流行で、各業種で業績大幅悪化が報じられている。特に、飲食、旅行業などへの打撃が大きい。そして、これから影響が数字で現れてくるのが、営業主体の事業、特に「足で稼ぐ」営業だ。
自宅でも業務可能な職種はテレワークへの移行が始まっているし、セキュリティや製造設備などの関係で出社せざるを得ない職種もある。一方で、営業職は、お客に会うのを禁止されているなど、お客との接点が少なくなっている。対面での契約が基本となる、金融、特に保険営業などは影響が大きい。営業に行けない! と困っている人も多いだろう。
「コロナ禍は、営業にとってピンチかチャンスか? 一つ言えるのは、不可逆なライフスタイル、ワークスタイルの変化だ。もう元に戻ることはない」。こう話すのは、保険会社向けCRMを開発するhokanの尾花政篤社長だ。
このコロナ禍はいったいいつまで続くのか。各所で予測がされているが、いくつかの企業や団体は、すでに長期化を前提とした取り組みを始めている。
いくつかの報道によると、米Microsoftは、2021年6月末までのすべての大規模イベントをオンライン開催のみにするという。米ハーバード大学は、人と一定の距離を空ける「ソーシャルディスタンス」を、ワクチンが開発されなければ、2022年まで継続する必要があると、専門誌に発表している。
この1〜2カ月だけが特殊な事態なのではなく、年単位でこれが続くことを想定しながら、業務のあり方を考えなくてはいけないというのだ。
●外で遊ぶより、家でNetflix?
日本では外出自粛が始まって1カ月間程度だが、すでにライフスタイルやワークスタイルに変化の兆しが見えてきている。リアルに会って交友できない代わりに「Zoom飲み会」を行ったり、映画館に行く代わりに家でNetflixを見るのが習慣化している人もいるだろう。
リモートワークを初めて体験して、仕事がやりにくいと感じる反面、家族との時間をたくさん取れたり、移動時間がないことで業務の効率化を実感している人もいるようだ。
「これによって、確実にライフプランが変わる。海外旅行を年に1回行っていた人が、数年に1回に変わるかもしれない。クルマが不要だと思っていた人が、郊外に住居を構えて逆にクルマが必要になるかもしれない」(尾花氏)
法人も、業務のあり方だけでなく、経営方針を変え始めている。尾花氏は言う。「私も経営者なので感じているが、売上よりも利益、将来への投資よりも手元現金の確保、広告宣伝から口コミ、人材採用から人材育成、一体感とすり合わせから明確な役割定義、海外生産から国内生産へと、変わっていくだろう」
●ライフスタイル、ワークスタイルの変化はチャンスでもある
自粛自粛で皆守りに入っているが、これが常態化していけば、変化に併せて必要なものが変わってくる。支出も変わっていくだろう。
「コロナ禍は、営業にとって大きな問題。ただしチャンスでもある。ワークスタイル、ライフスタイルが変わるということは、ファイナンシャルプランも変わるからだ」と尾花氏。保険営業は、旅行頻度やクルマの買い替えなどのファイナンシャルプランをヒアリングし、それに合った商品を提案する。ファイナンシャルプランが変わるなら、必要な保険も変わることになる。
ただし、お客のライフスタイルの変化に伴い、営業職のワークスタイルにも変化が必要だ。
「特に、ビデオ商談には慣れていく必要がある」と尾花氏は言う。ビデオ会議のツールは、一躍認知を広げたZoomや、MicrosoftのTeamsなどが有名だ。セキュリティの観点などから、使えるツールが制限される場合もあるが、営業にとって重要なポイントがいくつかある。
「資料を画面共有で見せる。この時、同時に相手の表情が見えるかどうか。相手の反応が見えないと営業は難しい」(尾花氏)
また、お客の質問などに応じて、すぐにパンフレットや説明資料を取り出して見せられるようにしておくことが重要だ。そのためには、説明資料は画像にして、あらかじめ用意しておくといい。また、必要な資料はチーム内で互いに持ち寄って、共有しておくべきだ。
面白いのは、ビデオ商談でも、実は相手にサインをしてもらうことが可能な点だ。個人情報の取り扱いなどについて、タブレットで見せられたあと、画面上でサインを求められた経験があるかもしれない。法的な意味合いは書類の内容や会社によってまちまちだろうが、技術的には、これはビデオ会議でも可能になっている。
「署名の段階で、ZoomもTeamsもリモート制御、画面の操作権限をお客さまに渡して、サインしてもらうことができる。画面制御を交互に交換しながら、商談を進めることもできる」
コロナ禍は、営業職にも大きな影響を与えつつある。そして一過性のものではなく、長く続く可能性が高い。これをピンチではなく、チャンスに変えられるか。それは、ITツールを活用し生産性を上げ、営業のやり方を変えられるかどうかにかかっている。
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