火事じゃなくてもおりる!?火災保険

 

住まいの売買契約や賃貸契約をするときによく耳にする「火災保険」。

どんな保険なのかをあまり把握していない状態で、不動産屋に勧められるままに火災保険に加入した。

もしかして、そんな経験がありませんか?

火災は、自分の生命や住まいを損ねかねない恐ろしいものです。

火災保険は、そんな火災のリスクをカバーするという非常に重要な役割を担っていながら、

その内容はあまり知られていないように思います。

実際に次のように疑問を感じている方も意外に多いのではないでしょうか?

「火災保険ってどんな保険?」
「そもそも何で火災保険って必要なの?」

そこで、今回は火災保険の基礎知識を分かりやすく解説していきます。

 

【火災保険とは】

火災保険は損害保険の一種で、火災や落雷、風水害などの事故によって生じた建物や家財の損害を補償する保険です。

建物とは建物本体やそれに付帯する門・塀・物置などのことで、家財とは建物の中にある家具や衣服などのことを指します。

家で出火を起こしてしまい、建物や家財が損害を受けた場合、さまざまな経済的ダメージを受けることになります。

家を建て直したり、家具をそろえ直したりするには、かなりの費用がかかってくるでしょう。火災保険は、そのような火災の経済的なリスクをカバーしてくれる「住まいの保険」です。

私たちが安心して日常を過ごすうえで、決して欠かすことのできない“もしものときの備え”とも言えるでしょう。

 

【なぜ火災保険が必要なのか】

なぜ住宅を持つ方のほとんどが火災保険に加入するのでしょうか。

おそらく一般的には、

「自分の建物が火災で被害を受けてしまったときにそれを補償してもらわないと大変なことになるから」

という理由が多いと思います。

実際にその通りであり、火災保険に加入していないと「住まいが全焼してしまった時に住宅ローンだけ残る」なんて悲惨な事態が起こってしまうかもしれません。

しかし意外と知られていないのが、火災保険の補償範囲は火災だけにとどまらないということです。

 

【火災保険が補償するもの】

「保険の対象」とは、補償が適用される対象のことです。

火災保険では、その保険の対象を①建物のみ、②家財のみ、③建物+家財の3つの中から選ぶことができます。改めて確認しておくと、「建物」は建物本体やそれに付属する門・塀・物置・車庫など「建物に付帯していて動かせないもの」です。それに対して、「家財」は、家具・テレビ・冷蔵庫・洋服・カーテンなど「建物の中にあり動かせるもの」だと覚えておきましょう。

火災保険の「保険の対象」

気をつけたいのは、保険の対象を建物のみにした場合、家財が損害を受けたとしても補償を受けられないことです。

あくまで家具や家電製品、衣服が補償となるのは、保険の対象に家財が含まれている場合のみだと覚えておきましょう。

この点は、火災保険の検討時に必ずチェックしておくべきポイントだと言えます。

自分に適した保険の対象の選び方は、「住宅が持ち家か? 賃貸か?」「家財は多いか?少ないか?」など暮らし方に応じて変わってきます。

たとえば、賃貸住宅に住んでいる方の場合、建物の火災保険には大家さんが加入していることがほとんどです。

したがって、自分で加入する火災保険では、保険の対象に建物を含める必要はないので、「家財のみ」で良いでしょう。

このように保険の対象を決めるときには、自分の生活状況を踏まえてよく考えるようにしましょう。

 

最初に下の表をご覧ください

火災保険が補償するもの
補償内容 保険金が支払われる場合
火災被害 火災・落雷など 火災・落雷・爆発などによって自分の建物や家財が被害を受けた場合
自然災害被害 水災 台風や集中豪雨によって洪水などの二次災害が起こり、建物や家財が被害を受けた場合
風災・雪災など 風や雪による建物や家財が被害を受けた場合
日常生活被害 水濡れ 給排水設備が事故によって壊れてしまい、それによって生じる水漏れによって自分な建物や家財が被害を受けた場合
盗難によって発生する被害 強盗や窃盗に見舞われ、それによって被害が生じた場合

他にもまだまだあるのですが、今回は最も日常的に起こりそうなものをピックアップしました。

上の表で紹介した通り、火災保険の補償範囲はかなり広いのです。

盗難なんて火災とは一見結びつかなそうなものまで補償範囲内となっています。

こうなってくると、知っているか知らないかが重要となりますよね。

「盗難で我が家の家財が破損されたのに、火災保険について知らなかったから補償されなかった!」なんてことのないようにしたいものです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

火災保険について解説していきました。

火災保険の概要として、

  • ・火災保険とは「火災や風水害などによって生じた建物や家財の損害を補償するための保険」
  • ・火災保険の「保険の対象」は、「建物のみ」「家財のみ」「建物+家財」。この3つの中から自分の生活状況に合わせて保険の対象を設定する必要がある
  • ・火災保険の補償範囲は、火災だけではなく、さまざまなものが含まれている
  • ・火災保険は地震やそれを原因とした火災などによる損害は補償の対象にならない。地震のリスクに備えるためには地震保険が必要
  • ・火災保険は必要だと考えるべき。火事に遭ったときの経済的ダメージが大きい点や、「失火責任法」の定めにより隣家の火事に巻き込まれて被害を受けたとしても損害を賠償してもらえない点から、加入の必要性はおおいにある

などについてお話をしていきました。

火災保険は、住まいを守っていくうえで大事な保険。

火災に遭う確率は小さいのですが、万が一のときのリスクは非常に大きいものです。

実際に火災保険を契約するとなると、物件の構造やどのような家財があるかによって、

自分に適している火災保険は異なります。

どの火災保険が自分に適しているのかを判断していくことは決して容易な作業ではありません。

一度プロのコンサルタントやファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。