終活とは
皆さんは終活という言葉をご存知でしょうか?
終活とは簡単に言うと、自分の人生の最後の終わり方をあらかじめ、自分で計画を立てておくことをいいます。
今回は終活について分かりやすく解説していきます。
【終活とは】
終活とは、死と向き合い、最後まで自分らしい人生を送るための準備のことです。
終活にはさまざまな形があります。
子育てが終わり定年退職を迎えた方ならば、これからの生活をどうやって充実させようかと考えるでしょうし、まだ定年を迎える年齢ではなくても、自分の老後について今から準備をしておきたいと考える方もいます。
現在介護をしている両親や義父母に、残された時間を有意義に過ごしてもらいたいと思っている方もいるかもしれません。
終活は自分の死と向き合うことですが、死生観は十人十色で、年代によっても死に対する考え方や受け入れ方が異なります。終活を正しく理解するためには、終活という言葉が定着しはじめた背景から知っておく必要があります。
●終活の背景と日本の高齢化
終活とは「人生の終わりについて考える活動」を略した造語で、2009年に終活に関する書籍が出版されたことを機に徐々に広がりはじめ、2011年の映画『エンディングノート』の公開や、2012年の「ユーキャン新語・流行語大賞」でのトップテン選出などを経て、社会現象を巻き起こしました。
また、当時は「団塊の世代」(「第一次ベビーブーム」と呼ばれる1947年から49年の3年間に生まれた人たち)が定年退職を迎えるなど、日本の高齢化を象徴する時代だったという背景も存在します。
●終活の目的は人生の最終調整
年齢を重ねれば、健康状態だけでなく「死」と向き合う機会が増えますが、終活を行うことで、自分の置かれている状況を客観的に把握できます。
例えば、「これまでの人生を振り返る」「残される家族のことを考える」「友人、知人、今までお世話になった人たちへの思いをつづる」「やり残したことや叶わなかった夢などを書き出す」などを行うことで、余生を通してできること・できないことの整理につながります。
つまり終活とは、若い人たちがこれから先の長い未来に対して描く人生設計とは違い、完成した作品の手直しに近い「より現実的」なものです。現実的な事前準備ができてこそ、残された家族への負担も減らせるのです。
【終活のメリット】
1.自分の意思が家族に伝わり、老後の生活が前向きになることができる。
一つ目は自分の意思が家族に伝わり、老後の生活が前向きになることができることです。ただ、死を前提とする話は、健常な人であれば最初は戸惑うものであり、聞かされる側も驚いてしまう可能性が高いので、伝えるときはまず「自身の健康状態から切り出す」のがポイントです。
2.残された老後生活が充実する。
2つ目は、残された老後生活が充実することです死を人生のゴールとするなら、先行きが曖昧なゴールより、ある程度自身で把握できたほうが、残りの時間を有効に活用できるでしょう。
3.遺産相続のトラブルを回避できる。
3つ目は、遺産相続のトラブルを回避できることです。金銭が関わる遺産相続では、「誰がどれだけ受け取れるか」が明確になっていないと、大きなトラブルに発展するおそれがあります。自分が生きているうちに、遺言書を残すことはもちろん、相続する相手とも話し合いを進めておきましょう。
【終活のデメリット】
1.家族と話し合う必要がある
葬儀やお墓などについて、終活ではご自分の希望を具体化していきますが、ここで大切になってくるのが、ご家族で話し合うことです。
終活を行う以上、残されるご家族への負担は最大限に軽くしたいものです。
終活における一つ一つの決定の前に、必ずご家族と話し合いの機会をもちましょう。
終活をきっかけに、ご家族共通の話題ができます。
これはデメリットではなく、むしろメリットとして考える事もできます。
お子さんやお孫さんといったご自分とは違う世代の意見を聞くことで、新たな発見や気づきにつながることもあります。
2.1人で行わない
次に気をつけなければいけないこととして、一人で行わないということが挙げられます。
シニア世代の方々は皆様まだまだお元気ですが、お一人で負担を抱えると、身体的に無理がくる場合があります。
また、タブーとされてきた死について考えることで、亡くなることに対し急に不安になったりすると
心理的にもよくありません。
終活で検討・選択する項目は、万一の場合に残されたご家族に役立つ内容です。
ご自分にしかわからない事をなくすためにも、終活はお一人でなく、ご家族や信頼できる人と共に行いましょう。
3.詐欺や悪徳商法に気をつける
終活を始めたいという気持ちにつけ込んだ詐欺や悪徳商法の報告があります。
例えば、ご自分の希望として簡素な葬儀を希望したにも関わらず、家族が法外な葬儀費用を要求されたといったケースです。
なかには悪徳の葬儀業者が存在します。
騙されてからでは遅いものです。
念を入れて、うますぎる話には乗らず、複数の専門家を見て、また他の人に相談して決めることが大切です。
【終活でやること】
終活の内容にこれといった決まりや順序はありませんが、多くの人が取り組むものとして次の5点が挙げられます。
1エンディングノートを書く
2.葬儀の準備
3.お墓の準備
4.遺言書を書く
5.身の回りの整理
エンディングノートは、書くことで気持ちが整理され、これからやるべきことを改めて発見することができます。葬儀の準備については葬儀社や菩提寺などへ。お墓については石材店と相談しながら進めると良いでしょう。遺言書は法的効力を持つものですので、専門家の力を借りて書くのが重要です。また、身の回りの整理はできる範囲からスタートし、少しずつ物を減らすことがポイントとなります。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は終活について解説していきました。
終活を通して、普段考えない死を身近に感じ、また改めて日々を送ることができるいい経験だと思うので、ぜひ終活をしてみることをおすすめします。