IOTとは
皆さんはIOTという言葉をご存知でしょうか?「IoT」という言葉が最近よく使われるようになりました。
しかし、IoTの読み方や、「IoTって何?」とIoTの意味をまだご存知でない方も多いと思います。
そこで、IoTとは何か、IoTで何が実現できるのかを例を用いてわかりやすくご説明いたします。
【IOTとは】
IoTは「Internet of Things」の略称で、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。
約20年前までインターネットは自宅や会社にあるパソコンから接続するものでしたが、デジタルテクノロジーと通信技術の急速な発展に伴い、携帯電話(スマートフォン)やタブレットなどのモバイル端末からもインターネット接続が可能になりました。
さらに社会のデジタル化が進んだ現在、家電や自動車といった「モノ」をインターネットに接続する技術=IoTが注目を集めています。
IoTという言葉が普及する以前にも、「M2M(Machine to Machine)」というモノ同士を接続する手法がありました。
簡単に両者の違いを説明すると、M2Mは機械同士がセンサーネットワークなどで相互に情報をやりとりするだけでインターネットには接続しません。
一方、IoTはモノが通信機能を保有しているため、情報をインターネット経由で送受信することができます。
IoTの活用により遠隔地から対象物を計測・制御したり、モノ同士で通信を行うことが可能になることから、さまざまな分野・領域での活用が期待されています。
【IOTの仕組み】
デジタル機器ではないモノとインターネットを接続させることで、どこからでも操作ができるようになります。また、人が操作してインターネットに接続するだけではなく、モノ自体がインターネットにアクセスすることも可能です。
・モノ(人)からインターネットを通じて情報を取得
IoTではモノ(人)からセンサーでデータを取得し、インターネットを通じて情報の形でまとめます。例えば、Apple Watchを身に着ければ、その人が歩いた道や距離、心拍数、血圧を自動的にデータとして取得できます。
・集めたデータをビックデータで蓄積
集めたデータは、IoT製品を身に着けた人専用のデータではなく、ビッグデータとしてクラウド上のサーバストレージに蓄積されます。
・蓄積したデータをAIで分析
集められた大量のデータはAIで分析され、必要な情報としてデジタル化されます。そして、デジタル化された情報をモノに共有することで、新しいサービスを提供します。
【IOTで出来るあんなことやこんなこと】
・IOTと街
サッカーやサグラダファミリアで有名なバルセロナですが、実は官民連携して街のIoT化に取り組むスマートシティとしても知られています。
たとえば、路上に埋め込まれた速度センサーが時速30㎞以上で走行している車を感知すると、前方の信号機が自動的に赤に切り替わります。急いでいるときはイライラしそうですが、歩行者の安全を最優先に考える、世界屈指の観光地らしいスマートな発想ですね。
また、公園のスプリンクラーと土壌の湿度センサーを連携させ、適切なタイミングで散水するシステムも実用化されています。
土が乾いていようが湿っていようが、毎日決まった時間に散水する頑固なスプリンクラーより、花や芝生を常に生き生きとさせられますし、市が管理する複数の公園で同時にプロジェクトを行うことで、水道代約25%を削減することに成功したそうです。
・IOTと車
もちろん日本でも、IoT活用へ向けた取組みはいたるところで盛んに行われています。
進歩が速いのはやはり自動車業界です。最新の技術は車内で感じるものなのでしょう。
コネクティッドカー(connected=つながっている。もちろんインターネットに)と呼ばれ、たとえば、周辺の道路状況に応じて最適なルートを提示するナビゲーションシステムとか、AIによる自動運転化、それと掛け合わせた輸送配送の無人化なども、そろそろ実用段階に入ってくると言われています。
トヨタの人工知能システムYUIは、運転者の様子を観察し、声や表情の変化から心理状態まで読み取り、気分に応じて最適な音楽をかけたり、話し相手になってくれたりします。
居眠りしそうなドライバーに水・・はさすがにかけませんが、居眠り運転防止にも一役買ってくれます
行った先でドライバーの心の高ぶりを感知し、そうした情報を集積して心を動かすスポットにますます精通し、フィードバッグがさらに正確になると言います。最適化の自動化、まさしくIoTの神髄と言えるのではないでしょうか。
・IOTと医療
IoTは医療の分野でも大きな効果が期待されています。
ウェアラブル端末でバイタルサインを測定し、遠隔医療や適切なケアに結びつけます。
たとえば、センサーで膀胱の動きを測定し、排尿のタイミングを予知するデバイスは、介護施設などで職員の業務負担を減らし、自立排尿のサポートとしても効果があります。
また、2017年7月にセコムが販売を開始したマイドクターウォッチは、リストバンドとして手首に装着することで、発作などの突然の体調不良時に自力で簡単に緊急通報できるほか、意識を失った場合の自動通報の機能なども備えています。
【IOTは生活の進化を加速する】
スマートフォンが普及したことで、公共Wi-Fiも整備され、さらにIoTが導入されやすい環境が整っています。
IoTの技術は、モノへの搭載で画期的な製品やサービスを生むだけでなく、公共交通機関の管理や農業で畑の管理に導入されるなど、身近な場所で活用の機会が広がっています。
これからはインターネットによってさらに便利になり、IoTの技術は生活の中で当たり前のサービスへと拡大していくでしょう。
まだビジネスで導入していないという人も、今のうちにIoTについて理解を深めておきましょう。
気になるIoT製品やサービスがあれば、試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
IOTについて解説してきました。
こうして具体例を見てくると、IoTが目指すところが何となく掴めてきませんか?
デバイスを通じて1つ1つの事例や情報を集め、AIを駆使してデータを解析し、人やデバイスに対して最適なフィードバックを行う。他の誰でもない。その時その場所にいるあなただけのためのサービス。
それが受けられるということででないでしょうか。
これからの時代が楽しみですね。