金の価値が高いのはなぜか?

「金」と聞いて、何を思い浮かべますか?

リングやネックレスなどに代表されるゴールド地金のジュエリー。

貨幣やインゴット(バー、延べ棒)などの資産。

あるいは金字塔や時は金なりといった慣用句など、様々なケースで回想することができます。

いずれも「高い価値を誇る」ことが共通しており、これは万人の知るところです。

では、なぜ金はこれだけ周知され、このように高い価値を持つかをご存知でしょうか。

そもそも金とは何なのか、人々が金に魅了され始めたのはいつの時代からなのか。

改めて考えたことのある方は少ないように思います。

ここでは、そんな知っているようで知らない「金」にまつわる歴史や、価値の理由を解説いたします。

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【金の価値が高い理由】

 

1.希少性がある

金には美しい輝きの見た目と採掘総量の少なさから、高い希少性があります。
これまで地球上で発掘された金の総量は約18.3万トンで、これはオリンピック公式プール約3.8杯分しかないほど少量です。

現在、地球に埋蔵されている残りの金は、約5.3万トンしかありません。さらに、大部分は採掘が困難な場所にあるため、枯渇する日も近い貴重な資源といえます。

このように、金は地球上にわずかしか存在しない貴金属として希少性があるのです。

 

2.歴史に裏打ちされた信用がある

金には古くからの歴史があり、紀元前6000年頃より装飾品として価値を認められている物質です。人類が長期にわたり取引してきた金には、これまでの歴史の分だけ信用力が積み重なっているため、為替相場も上昇します。

古代エジプトにおいても金は貴重で、ツタンカーメンの黄金マスクには、文字通り金が使われています。当時は、権力や永遠の命を象徴するものとして扱われていました。

このように金は、歴史的にも貴重で手に入りにくい価値の高い貴金属としても実績があります。

 

3.多岐にわたって使われている

金は見た目を重視した装飾用で使われるほかに、錆びにくい貴金属として金貨、電子機器、精密機械にも使われる、装飾品として以外のさまざまな活用先があります。

特に加工のしやすさと耐久性の高さから、日常で使う多くの製品に欠かせない金属です。

地中の埋蔵量は枯渇しつつありますが、「都市鉱山」と呼ばれる電子部品に使われている金が注目されるほどです。

東京オリンピックでは、携帯電話の中に使われている金を使ったメダルを制作するプロジェクトが始動しています。

総量が小さいにも関わらず、用途が多岐にわたるため、金の値段は上昇しています。

 

4.高い流動性がある

流動性とは、必要になったときにすぐに手元に引き出せる状態のことです。

株式や債券などの投資商品は、国や企業が破綻した場合に価値はなくなってしまいます。

一方で自分の資産を金に変換しておけば、世界中で現金にでも株式・不動産にでも変えることができます。金の価値は世界中で通用することは、金の流動性の高さを表しています。

金を手元に残しておけば価値が破綻することはないため、他の投資商品と違い価値がゼロになることはありません。この高い流動性も金の価値を高めています。

 

【金の歴史】

安定した性質を持ち、長くその輝きを保ち続ける金は、古代より「特別な金属」として扱われてきました。

例えば紀元前6000年~5000年ごろには、既に「装飾品」として使われています。

キラキラと輝く宝飾品は、身分の高い人のみが身につけられる、特別な品物だったのでしょう。

また紀元前700年~600年ごろからは、世界の各地で金貨が使われていたことがわかっています。

金は通貨としても活躍していたのです。

今も昔も、金は簡単に手に入るものではなく、また美しく輝き続ける性質を持つことから、「価値の高いもの」として扱われてきたのですね。

現代においても、「金」は特別な金属として扱われています。単体でも価値を持つ投資対象として、「安全資産」として保有する方も少なくありません。

 

【イギリスから広がった金本位】

人が金をどのように扱ってきたのかは、金相場の歴史とも深く関わっています。
現在のような金相場が生まれる前は、「金本位制」という制度が世界各国で導入されていました。

金本位制とは、金を通貨の価値の基準とする制度で、1816年にイギリスからスタートしました。その後世界各国へと広がっていきます。

金本位制は日本でも採用されており、明治政府がその価値を「純金1.5グラム=1円」と定めています。1897年のことでした。

1914年には第一次世界大戦の影響で金本位制の継続が難しくなってしまいます。各国で中止された金本位制を復活させたのはアメリカで、こちらは1919年のことでした。

その後の世界大恐慌など、歴史上の様々な出来事の中で、徐々に金本位制を維持するのは難しくなります。

しかし、金本位制はそれ以降も根強く残り、完全になくなったのは1977年のことでした。

1973年には、主要通貨の交換レートも変動相場制へと切り替えられます。金を国際的に取り引きするドル建て価格が変動相場になり、これに伴って日本国内の金相場も変動制へと変化しました。

現代では当たり前のようにチェックされている金相場ですが、その歴史は意外と浅いものだと言えるでしょう。

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【変動相場になってからの価格は?】

変動相場になってからの金の価格は、大きな出来事が起こるとともに、その価格を下降させたり上昇させたりと、大きく変化してきています。

例えば1985年のプラザ合意が発表されますと、急激にドル安・円高が進んでいきます。これに伴い、金の価格は急降下します。

また安全資産としてのイメージも強い金は、地政学的リスクや経済的なリスクが高まったときにも多く買われ、その価格を押し上げていきます。

2000年代に入りますと、テロや金融危機などの影響もあり、金の価格は上昇トレンドに入ります。このような金の値動きは、変動制ならではのもの。

金相場の歴史をひも解いてみますと、非常に奥が深いことがわかります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

金の価値が高いのはなぜか?について解説していきました。

金はその希少性だけでなく、多方面からの需要が高いためその価値は高騰しています。

金相場の成り立ちを知ることで、金相場が生まれた意味も知ることができるでしょう。

歴史上、金がどのように扱われてきたのかを知ることで、金の価値をより深く理解できるようになるはずです。

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