美食の国 フランス料理の歴史と文化

 



ランス料理(フレンチ)は中華料理・トルコ料理と並び世界三大料理に数えられ、飲食業界のなかでも求職者から根強い人気がある業態です。
フランス料理(フレンチ)は高度な調理法と洗練された味で、西洋料理の代表として世界中に広まっています。
各国の晩さん会などでは正式な献立として採用されることが多く、ナプキンは全員が着席してメインのゲストが手に取ってから使用する、など厳格なテーブルマナーが確立されていることが特徴です。

今回はフランス料理について解説していきます。

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【フランス料理の歴史】

ランス料理(フレンチ)はとても格式高いイメージがありますが、中世にフランスで食べられていた料理は食材を焼いて大皿に乗せ、手づかみで食事を行うという非常にシンプルなものでした。
ところが、16世紀にイタリアからフランス国王に嫁いだメディチ家のカトリーヌとその専属料理人たちによって高度な調理法や洗練されたマナーが伝えられ、フランスの宮廷料理が発展していきました。
17~18世紀にかけては宮廷で腕を振るっていた料理人たちが競い合ってそのクオリティを高めていき、その後宮廷料理が一般に広まり現在に至っています。
また、1皿ずつテーブルに運ぶフランス料理のスタイルは、19世紀ごろにロシアで確立されました。
ロシアのフランス料理人が、寒い気候のなかで料理が冷めないように1皿ずつテーブルに運ぶようになったことがきっかけで、そのスタイルがフランスに伝わりました。

フランス料理(フレンチ)は、明治維新の際に日本に伝わりました。
海外からの来賓客を接待するためにフランス料理が提供されるようになったのは、1873年からといわれています。
フランス料理(フレンチ)が一般に広まったのは昭和に入ってからで、1970年代から90年代にかけて、ホテルオークラの小野正吉シェフや帝国ホテルの村上信夫シェフといった名料理人の活躍がありました。

 

【フルコースの歴史】

フランス料理のフルコースと聞くと、「非常にオシャレ」なイメージもありますが、「ちょこちょこと出されるのが面倒くさい」、と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、それはもったいぶっているのではありません。一つ一つが出てくる順序には食べる人に満足してもらい、しっかりともてなすための配慮が隠されているのです。

なんとなく出されたものを食べるよりも、その意味を知っていただく方が楽しみも広がります。ここからはその流れと理由をまとめていきます。

 

1.フルコースの歴史

現在では前菜やスープ、メインディッシュなどが順番に出てくるのがフランス料理の流れとなっています。

しかし1800年代より以前のフランスでは全ての料理が最初に並べられるスタイルが普通でした。

これは多くの料理を一度に並べてテーブルを一杯にすることで「ゴージャスさ」を誇る意味があったのです。

しかしながら、現在のように料理を保温する技術がまだ発達していない時代ですから、あたたかいものが冷めてしまったり、冷たくいただきたいものがぬるくなったりする欠点もありました。

それを改めたのはユルバン・デュボアという料理人です

。彼はロシアの貴族につかえていたことがあり、その経験から料理を少しずつ順番に出していくことでより美味しく食べられるコースの形を提案しました。

前菜―スープーメインデッィシュと分けて出せば、温度だけでなく食感などもベストのタイミングで味わうことができるのです。これを見たオーギュスト・エスコフィエという人がフランス全土にその様式を広め、フルコースの姿が確立して行ったのです。

 

2.コースと流れの特徴

 

・オードブル
「オードブル」は前菜のことで、これから食事を始めるにあたって、食欲を促進させる働きを持っています。そのためボリュームは敢えて少なくしてあることが多く、彩りの良さなどが優先される傾向があります。

・スープ
体を温める意味合いも持っている「スープ」はメイン料理への入り口です。その種類を大きく分けると、透き通ったコンソメスープと、クリーミーなポタージュスープの2つのタイプがあります。
近年はヴィシソワーズと呼ばれるスープが人気を呼んでいます。これはジャガイモをすりつぶした状態のものをコンソメスープに加え、生クリームで味を調えたスープで、コンソメよりさらに時間をかけた一品です。

・ポワソン
魚貝またはイカやタコを使った「ポワソン」は肉料理を用いたメインディッシュの前に挿入されます。肉よりも魚が先に出るのは消化の良さを優先した結果でもあります。

・ソルベ
ソルベとはシャーベットのことで、ここで一旦口の中をリセットさせるために出されます。これを知っていないと「デザートが出たのでもう終わりか?」と思って困惑することがあるので気をつけましょう。

・アントレ
いよいよメインの肉料理です。牛肉、豚肉、鶏肉など現在の日本でおなじみの素材を使う場合もありますが、鴨や鹿を主役にすることも珍しくはありません。
鴨などの臭みがある素材であれば、それをなくすための工夫が凝らされています。オレンジソースなどを使ってそのネガティブな面を打ち消し、調理されるのです。野菜の付け合わせが必ず乗せられているのは見た目の良さを演出しながら消化を助ける組み合わせを考えられています。

・デセール
「お皿を撤収する」という意味を持つ「デセール」は、メイン料理の後に出てきます。ここまでの料理も見た目に気を配っていますが、デセールは装飾品なのではないかと思うような美しいものが振る舞われることが多く、それもまた料理人の腕の見せ所でもあります。

・カフェ、プチフール
コーヒーと小さな菓子で締めくくりです。コーヒーにはリラックス効果があり、含まれている成分には脂肪の燃焼を促進する目的があります。「プチフール」とは「小さい火」という意味で、大火力を使わずに作る調理方法からその名がついています。
コーヒーは通常のカップの半分程度のサイズで出てくることが多く、これは「デミタス」と呼ばれています。

 

 

【ワイン】

フランス料理(フレンチ)で欠かすことができないのがワインです。
生産量はイタリアが、ぶどうの栽培面積ではスペインがそれぞれ世界一ですが、フランスワインの品質は世界最高級といわれています。
その理由は、フランスの気候や風土がワイン用のぶどう栽培に適していることが挙げられます。
有名な産地としては、ドン・ペリニヨンで知られる上質な発泡性ワインの産地、シャンパーニュ。シャンパンと呼べるのは、この地方のワインだけです。

ボルドーはメドック、サンテミリオンなどの銘醸地が目白押しです。
力強く優雅な味わいから、「ワインの女王」とも呼ばれるほどです。
ブルゴーニュはロマネ・コンティを最高峰に、赤のボージョレ、白のシャブリなどを生み出し、ボルドーと並ぶ銘醸地帯として知られています。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

フランス料理の特徴について解説していきました。

フランス料理を楽しむひとときは、日常生活では味わえない特別な時間です。

カトラリーやナプキン、椅子の座り方など、フランス料理特有のテーブルマナーを守る必要がありますが、それも含めてフランス料理の魅力といえるでしょう。

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