なぜタバコをやめられない~ニコチン依存性~

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皆さんの周りにタバコを吸っている人はいますか?タバコは健康に害があると知っていながらも辞められない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回はタバコがどうして依存してしまうのかといった内容をお伝えしていきたいと思います。

 

日本における喫煙者の数は年々減り続け、一時期4000万人近くいた喫煙者数は現在、3000万人を大きく下回っています。

厚生労働省の調査によると、日本人の喫煙率は平成20年で21.8%となっており、男性は36.8%で、40歳代が最も喫煙率が高く51.9%、一方、女性の喫煙率は9.1%で、20歳代が14.3%、30歳代が18.0%と、若い世代で喫煙率が高くなっています。

なお、全体の喫煙率は年々減少していますが、年代によって差はあるものの、男性の喫煙率が大きく減少している反面、女性はほぼ横ばいとなっています。

喫煙は「百害あって一利なし」といわれるほど害の多い嗜好品。さらに、依存性も強いため、一度吸い始めると簡単には止められないのも事実です。

 

ニコチン依存

ニコチンには依存性があり、タバコ使用時に依存を生じる主たる原因となっています。

ニコチンは中枢神経系のうちドパミンを介する脳内報酬系に作用するとされ、脳内神経伝達物質の分泌がニコチン摂取で増加することが示唆されています。

1980年に米国精神医学会によって、ニコチン依存は精神疾患の診断分類としてとりあげられました

ニコチンは、口腔内粘膜や皮膚からも吸収される極めて吸収の良い物質で,煙を吸い込んで数秒以内に脳血管障壁を通過して脳細胞に達します。

定期的にニコチン摂取を繰り返すと,ある時期以降には脳細胞は喫煙してニコチンを吸収することでようやく以前と同レベルの活動を維持するようになります。これが「ニコチン中毒」「ニコチン依存」と呼ばれている状態です。

ニコチンは吸収が速く,体内から消失するのも速いため,常習喫煙者では喫煙後30分程度でニコチン切れ症状を生じ「次の1本」の願望を生じるようになります。

ニコチン依存を有する喫煙者はニコチンの血中濃度をタバコを吸う頻度と深さで調節し、最適なニコチン血中濃度による精神的効果を得るとともに、ニコチン離脱症状を避けています。

ニコチン依存は、

➊周りからの影響をうけて喫煙を開始する

➋ニコチンのドパミン系への直接影響によって喫煙を続ける

❸離脱症状軽減のために喫煙を続けざるを得ない

との3段階を経て喫煙開始後数年で形成されると考えられてきました。成人では喫煙後5年から10年でこうした状況が形成され、その結果喫煙者はほぼ毎日喫煙するようになります。

未成年に対しての調査では喫煙開始後急激にニコチン依存が形成される場合が多いことが明らかになり、必ずしもこの3段階を順番に経るともいえないと考えられています。

 

心理的依存 

いつも喫煙していた場面、他人の喫煙シーン、困難に遭遇したときなどに喫煙要求が高まる状態をさすもので、喫煙で良いことがあった体験の積み重ねが、心理的な条件反射を強化します。

経験や記憶によるところが大きく、喫煙年数が長いほど強固です。この心理的依存によって一旦禁煙したものの、さまざまなストレス場面において容易に喫煙が再開されることが多く観察され、心理的依存への対処には、さまざまな行動変容理論の応用が必要となります。

副流煙が周囲に与える影響

 

タバコの煙は、喫煙者が吸う主流煙と、タバコの先の火がついているところから出ている副流煙の2種類から成り立っています。

この副流煙には、主流煙に比べ、約2〜3倍の有害物質を含んでいます。アンモニアなどの刺激物質は、何と約70倍以上も含まれているそうです。

受動喫煙では、本人が気をつける、気をつけないに関係なく、副流煙を呼吸により肺の奥深くまで吸い込んでしまうのです。

くわえタバコや、隣の人がタバコを吸っていて、鼻や目が痛くなったという経験があると思います。

これは、先にも述べたように副流煙には主流煙の何倍もの有害物質、刺激物質が含まれているからです。

また、タバコを吸っていない人でも、副流煙を吸い込むことにより、喫煙者と同じ害を受けることになります。

むしろ、主流煙よりも副流煙の方がより多くの有害物質を含んでいますので、喫煙者よりも頭痛、のど・目の痛みを訴える人が多いという話もよく聞きます。

タバコのケースにも書いてありますが、喫煙のマナーというのは、歩きタバコや、ポイ捨てだけを指すのではなく、非喫煙者の身体のことも考えてタバコを吸うことも含まれるのではないのでしょうか。

 

 

 

禁煙して病気の症状が改善?

 

タバコをやめて病気の症状が改善されることが多々あります。

例としては、「せきやたんが出なくなった」「血圧が下がった」「胃腸の調子が良くなり、便通が良くなった」などです。

もちろん、肺ガンの発生率も減少しますし、それに伴う死亡率も低下してきます。 では、ここで絶対にタバコを吸ってはいけない病気を紹介します。

 

  • 狭心症、心筋梗塞●高血圧●胃・十二指腸潰瘍●脳梗塞●喘息●糖尿病

 

などです。これらの病気は、「死」に直結することもありますので、罹患者は今すぐにタバコを断ってください。

 

・タバコの煙に含まれる化学物質

約3,000種類あり、そのうち有害物質は200〜300種類、特に有害なのがタール、ニコチン、一酸化炭素などです。

 

・タールの蓄積量

1本のタバコに平均約15mgのタールが含まれていますが、1日20本の割合で約50年吸うと、コップに30杯位もの量になります。

 

・タバコの煙に含まれる一酸化炭素の量

純粋なタバコの煙に含まれている一酸化炭素の量は、1万〜4万PPMといわれます。ちなみに室内や窓の外の空気中の一酸化炭素の量は、1PPM、環境基準は10PPM以下。

肺に達するまでに空気で薄められ、肺の中では100PPM位になりますが、それでも環境基準の10倍と非常に高い数値となっています。

 

・タバコによって引き起こされる害

タバコによって引き起こされる害は30種類。近年明らかにされた白内障、歯周病などの健康影響を加えると50種類にも及ぶとされています。

内訳としては、ガン−肺ガン、咽頭ガンなど10種、循環器疾患−血管収縮、心筋梗塞、狭心症、脳卒中など、消化器系−胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食欲低下など、妊娠合併症、ビタミンCの破壊、免疫機能の低下、善玉コレステロールの減少、運動機能の低下、知的能力の低下、寿命の短縮、タバコ代による経済的消失などが挙げられます。

 

・喫煙によって肺ガンに罹ったとされる人の割合

約70%とされています。アメリカやイギリスなどでは、肺ガンの原因の80〜90%がタバコであるとされています。

 

・禁煙後に肺がキレイになる年数

ヘビースモーカーだと約10年の期間が必要だとされています。心臓に対する影響は1年くらいで、血圧の上昇や脈拍数の増加、血管の収縮などはその日のうちに消えます。また、ニコチンも1〜2日ほどで完全に排出されます。

 

・タバコ1日20本でどれくらい寿命が縮むのか?

ある医者が調べたデータでは、タバコ1本あたり5分30秒の割合で寿命が短くなっているといわれています。1日に概算すると1日20本では110分となります。

 

・夫がタバコを吸う場合の妻の肺ガンの発症率は?

夫婦ともに吸わない場合と比べて約1.5倍高くなります。また、夫婦ともにタバコを吸うとしたら、約5倍もの確率になります。

 

まとめ

本日はタバコがどのようにして依存するのか、また健康にはどのような影響を及ぼすのかを紹介しました。また、近年ではタバコの値上がりにより経済的な問題にも影響を及ぼすようになってきています。禁煙は時間をかけて行わないといけないので、禁煙したいと強い意志のある方は禁煙外来等を活用してみるのもひとつの手かもしれないですね。最後に私がおすすめするリンク先を掲載しておきますので、ぜひご覧下さい。

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