予防医学とは
本ページでは予防医学について分かりやすく説明していきます。
予防医学とは
予防医学とは、その名の通り「病気になる前に予防する」ことを目的とした治療です。
つまり、健康な体を維持することです。
予防医学の考え方は、人の体をモノにたとえて考えるとわかりやすいかもしれません。
例えば“クルマ”。
旅行に行くとき、買い物に行くとき、色んなシーンで使用されるクルマは、タイヤやブレーキなど少しずつ傷んできます。
そのままにしておくと事故につながってしまう恐れがあるので、定期的に車検に出して点検し、気になるところがあれば部品を取り換えたりします。
クルマを、人の体に置き換えてみても同じです。産まれたときから動き続ける私達の体は、疲れや傷みが少しずつ蓄積しています。
同じはずなのに、クルマは事故が起きる前に事前に修理をして、人の体は事故(病気)が起きてから治すのが、今の日本の医療制度です。
日本は世界屈指の長寿大国
女性87.14歳、男性80.98歳。日本人の平均寿命(2016年)は世界でも指折りで、100歳を迎える人も少なくありません。
そんな長寿時代を迎え、関心が高まっているのが「健康寿命」です。これは健康上の問題がなく日常生活を送れる期間のことで、平均寿命との差は女性で約12年、男性で約9年あると言われています。
「健康寿命」を延ばすために欠かせないのが「予防医学」です。
健康なうちから病気になりにくい心身を育んで健康を維持しようというもので、厚生労働省による指針でも、病気になりにくい心身を育むためには、「バランスのとれた食事、適度な運動、十分な休息、規則正しい生活リズム」が大切とされています。
なぜ、予防医学が必要?
増える患者数、治療医学の限界
なぜ今、予防医学が必要とされているのでしょうか?それは、今の日本の医療制度に問題があります。
日本の医療は、事故(病気)が起きてから修理(治療)する、『治療医学』が主流です。日本の医療技術はめまぐるしいほどのスピードで進化し、技術力の高さは世界でも引けをとりません。
その技術力の進歩により、一昔前までは「不治の病」とされていた病気も、治療して良くすることが可能になりました。ガンでさえ、今では決して治らない病気ではありません。
がんの罹患数の増加
しかし、その一方で、ガンの罹患数は年々増えていっていることをご存じでしょうか?
厚生労働省が発表した平成20年患者調査の概要によると、前回の調査結果と比べて、がんの総患者数は、6年で23万人も増えています。
また、ガンと同じく3大疾病のひとつである脳卒中は介護を受ける最大の原因といわれています。死亡者数こそ、がんの34万人に比べると脳卒中は12万7千人なので少ないですが、一方で介護が必要となる原因の1位は、脳卒中なのです。
このように、危機的状況に陥っている日本ですが、
日本以外でも、世界的に高齢化は進んでいます。
諸外国では、この現状をどう受け止めているのでしょうか?
実は、欧米の先進国では30年以上前から、高齢者の医療費の増大を予想し、
病気になる前に予防する「予防医学」を国策として取り入れています。
これらの取り組みにより、
将来起こりうる病気を若い世代から予防するという意識を高め、
結果、寝たきりの老人の数も減少させることに成功しました。
日本政府がようやく予防医学の大切さに気付き、
本格的に国策として取り入れようと動き出したのが4年ほど前ですから、
すでに20年以上もの遅れをとっています。
現に日本では、まだ予防医学の考え方は浸透していません。
これからの予防医学
医療の現場では、治療医学第一主義的考えが主流で、病気になったら治療することだけが目的化され、予防医学を軽んじる傾向がみられます。
食生活の欧米化や生活環境の複雑さが生み出すストレス過剰の社会に加え、高齢化社会の到来、薬剤依存の社会、環境汚染の拡大、癌、心臓病、アレルギーや精神不安の急増など、現代社会は国民の健康を蝕む要因が非常に増加し、健康不安を増幅させています。
このような状況の中、私達個人だけでなく、医療の現場での予防医学の実践が急務となっています。
いうまでもなく、健康管理は、一義的には自己責任です。ですから、国民一人一人が予防医学的考えを実践することが重要です。
というのも、今後ますます社会生活が複雑化し、健康維持、増進、あるいは治療後の予後などについて、個人の責任においての対応が強く求められるからです。つまり自らの健康は自ら守るという、セルフケアライフの実践が強く求められています。
このような状況の中、時代は否応なく、治療医学一辺倒から、予防医学へと舵をきりました。この現象は、日本だけでなく、世界の趨勢となっています。特に欧米では顕著にみられます。
これからの日本も治療医学ではなく、予防医学が浸透する国になってくれることを願っています。
いかがでしたでしょうか?
皆さんにとってより健康で豊かな人生を手に入れる手助けになれば幸いです。
本サイトでは今後の時代の流れに合わせてどういうアクションを起こすべきかを情報提供させて頂いております。
今後とも皆さんと皆さんの大切な人にとって未来を考えるサポートができれば幸いです。