海外と日本の看護師の違い
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看護師の仕事には日本と海外で大きな違いはないと思う人も少なくないでしょう。
しかし、実際には看護師になるまでの教育は国によって違いがあるほか、看護師が行える医療行為についても異なる点があるようです。
本ページでは、国内外における看護師の教育・免許の違いや、日本の看護師が海外で働く場合などについて解説していきます。
そもそも看護専門学校がない国も多い
日本と海外における看護師教育の大きな違いとしては、海外では看護師になるためのコースが設けられていないことも多いという点でしょう。
日本の場合、高校以上の教育を受けてから看護専門学校で3年学ぶと看護師国家試験の受験資格を得られますが、イギリスやアイルランド、オーストラリア、ニュージーランドなどでは、大学を卒業しないと看護師の資格を取得できません。
また、日本は准看護師で一定の実務経験を積むと正看護師になる道が開かれるなど、いろいろな道のりがあることが特徴でしょう。
ちなみに、アイルランドやイギリスには准看護師という資格はありません。
入学資格に大きな違いはない
日本の場合、看護学校や大学に入学するには、小中学校の義務教育から高校(高等専門学校含む)を卒業する、あるいは高卒認定試験に合格していることが条件であり、12年以上の教育を受ける必要があります。
一方海外では、イギリスやニュージーランドでは13年間、アメリカやフィンランドでは12年間の教育を受けることで入学資格を得られます。看護系の学校に入学する資格に大きな違いはないようです。
海外では看護師の仕事はかなり細分化されている
海外では、看護師免許にいくつかの種類があります。
アメリカの場合、看護師は以下のようにレベルが分かれています。
- 認定看護助手(CNA)
- 公認看護師(LPN)
- 看護師(RN)
- 看護学士(AS)
- 専門看護学専門家(ARNP)
認定看護助手(CNA)は、バイタルサイン測定や日常生活介助、公認看護師(LPN)は注射管理や包帯交換、看護記録などを書く仕事ができます。
その上のレベルである看護師(RN)看護学士(AS)になると、看護診断をする資格があり、専門看護学専門家(ARNP)となれば助産師やナースプラクティショナー、ナース麻酔医も含まれます。
ちなみに、1番多い職種は看護師(RN)、看護学士(AS)のようです。
国家資格は万国共通?
日本の看護師免許は国家資格です。海外においても多くの国は国家資格と定めているようですが、アメリカやカナダにおいては州単位になっています。
アメリカの場合は、州が違っても所定の手続きを行って手数料を支払えば、別の州で看護師として働くことも可能です。ただし、州によって合格基準は異なります。
合格しやすい州とそうでない州があるようですので、アメリカで看護師免許を取得したいと考えている人は事前に確認しておくといいでしょう。
医療行為の範囲に関する違い
日本では、医師の指示のもと看護師が患者に医療行為をすることが可能とされており、海外でもそれは同じです。
アメリカには「PA(フィジシャン・アシスタント)」という資格があり、この資格を取得することで、医師の監督下であれば診察や薬の処方などの医療行為ができます。
日本でも「特定行為研修」を受講すれば38項目の医療行為ができるようになる制度があります。
しかし、この研修では薬の処方はできません。これがアメリカと大きく異なる点だと言えるでしょう。
給料や休暇などの待遇の違い
日本では看護師は一般的に収入が良い職業とされてます。海外の看護師は、日本よりもさらに給料がよいと言われます。
オーストラリアのニューサウスウェルズ州の場合、アシスタントナースの年収は46,381ドル、正看護師は83,309ドル、121,102ドルとされています(最大値)。
オーストラリアなどでは日本と比較して物価自体も異なりますが、日本の看護師と比較すると収入は多いです。
また、休暇が4〜5週間と連続して取得できることも海外で働くメリットです。勤務時間に関しても、決まった時間を自分でカスタマイズできることもあります。
まとめ
看護師免許は大きな可能性をもった資格です。
日本と海外では、看護師免許の取得や可能な業務範囲についてさまざまな違いがあるようです。しかし、日本の看護師免許を活かして海外で働くことも不可能ではありません。
患者に対して誠心誠意看護するという点において、看護師の目的は万国共通。これから海外に住みたい、海外で働きたいという人にとって、看護師免許は大きな可能性を持った資格と言えるでしょう。
また、国際結婚など環境が大きく変わっても仕事を続けることができる点は、看護師ならではのメリットと言えます。
この記事を読んで看護師の皆さんにとってより豊かな人生を手に入れる手助けになれば幸いです。
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