漢方の歴史
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私たちの身近にある「漢方」
私たちは生活の様々な場面で漢方と触れ合っています。薬局で漢方薬を買ったり、生薬の効果のある食材を普段の食事で食べたりしています。
また、日本の医師は最先端の医療である西洋医学を提供しながら、伝統医学である漢方薬も処方できます。2011年の日本漢方生薬製剤協会による医師のアンケート調査の結果によると、医師の89%が日常的に漢方薬を処方していることがわかりました。
日本では、最先端の医療を提供しながら漢方薬を使用するという、西洋医学と伝統医学の融合された新しい医療が創生されています。このように私たちの身近にあるある漢方とは、どのように日本に根付き、現在どのような可能性や問題に直面しているのでしょうか。
そもそも漢方とは
漢方医学とは、中国から伝わってきた伝統医学が日本で独自に発達したものです。中国起源の伝統医学は、日本や韓国に渡り、漢方医学と韓医学としてそれぞれ独自に発達していきました。漢方医学、中医学、韓医学それぞれ原点は同じですが、診断方法や処方の考え方など医学体系が異なります。
漢方薬と西洋薬との違い
漢方は“自然な治癒力”を呼び覚まします
漢方薬は生薬(しょうやく)(天然の薬草や鉱物)でできたもの、西洋薬は科学的に合成した成分でできたもの。も
ちろんそういった違いもありますが、漢方薬と西洋薬は、“治し方”に対する考え方が違います。西洋薬の多くは、本来体がすべきはたらきを薬が代わりにするため、そのはたらきが切れると元の状態に戻ってしまいます。
一方、漢方薬は、本来体のもつはたらきを高めるように作用して、体自身の力で正常な状態をつくりだそうとするものです。そのため、具合が悪く病院で検査をしたが、どこも悪くないといった症例にも対応していくことができます。
漢方はどんなときにいいの?
「なんとなく不調」に
人生は、晴れの日ばかりではなく雨の日もあります。体も同じで、体調が良い日ばかりとは限りません。とくに女性は、月経や出産などで、一生のうちでも体のバランスが大きく変わり、ついていけずに不調を感じることも多いものです。
病院に行くほどではなくても、「なんとなく不調…」。漢方は、そうした体のバランスの変化に対応し、整えていきます。
どこかひとつだけではない症状に
漢方では、症状ひとつだけを見るのではなく、体全体、その人そのものを見ます。また、体と心はつながっているという考え方から、心のはたらきもその人の一部として考えます。
このことから、一見関係のないように見える複数の症状に、1つの漢方処方で対処できることもあります。なんとなく、あちこちがしっくりしないというとき、漢方を試してみませんか?
漢方は“バランス重視”
大切なのは本来のバランス
漢方では、人の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つで構成されていると考えられています。「気」は目には見えないが人の体を支えるすべての原動力のようなもの、「血」は全身の組織や器官に栄養を与えるもの、「水」は飲食物中の水分を消化吸収によって人の体に必要な形にして体をうるおすもののことです。
この3つは、お互いに影響しあっています。大切なのは、この3つがバランス良くめぐっていること。どれかが多過ぎても少な過ぎてもいけません。
水は流れ、温めれば蒸発する。重いものは下へ行き、軽いものは上へ行く。そんな自然の摂理を応用し、バランスを調節するのが漢方です。その人にとって本来の“ちょうどいい”状態に戻していきます。
漢方薬に副作用はないの?
残念ながら、漢方薬にも副作用はあります。中国の最古の薬物書は薬物を上薬・中薬・下薬の3つにわけています。
つまり、「上薬は人の体を丈夫にし、長期に 使っても毒がなく、不老延年を望むもの。中薬はときとして毒があるもの。
下薬は病を治し、毒多く、久しく飲んではいけないもの」としています」漢方薬は生薬が組み合わされています。漢方薬の副作用としてもっと多いのは、「甘草」(かんぞう)の取りすぎによるも のです。
「甘草」はその名の通り甘い薬草で、いろいろな処方に含まれて、嗜好品にも使われています。しかし取りすぎると、血圧が上がる、体がむくむ、血液 中のカリウムが低くなるなどの「偽アルドステロン症」になる場合があります。「甘草」を含む漢方薬どうしや西洋薬の飲み合わせ、「甘草」を含む嗜好品や食品との併用などに注意する必要があります。
そのほか、麻黄(まおう)、地黄(ぢおう)、当帰(とうき)、川弓(せんきゅう)には胃腸障害、麻黄には動悸・関節のしびれ、桂枝(けいし)や蘇葉(そよ う)などには過敏症などの副作用が出る場合があります。
また、漢方薬には独特の使い方があります。それを間違えると効果がないだけでなく、かえって病気を悪化させます。これは副作用というよりも、「証」(しょ う)の見立ての誤りで、漢方医学ではこれを「誤治」(ごぢ)といいます。
漢方養生指導士
漢方養生指導士は日本漢方養生学協会が認定する資格です。この資格で特に身につけられるスキルは「養生」に関する知識です。
養生とは漢方に根付いた概念のひとつで、日々の生活習慣で病気を予防し健康を保つ総合的な方法のことです。
養生は、病気にかかる前に自分で行える健康管理の方法として注目されています。養生には、漢方の基礎・適切な運動・バランスのよい食事・休養の取り方・季節(環境)にあわせることなどの分野が含まれます。
漢方養生指導士はこれらの分野において適切なアドバイスを与えることができるスキルを身につけるのです。
漢方養生指導士の資格取得の方法
漢方養生指導士の資格を得るためには、薬日本堂漢方スクールが開催している初級講座を受講することが必要です。
この講座は、通学講座と通信講座が用意されています。通学講座は1時間を1単位とする18単位の授業でなっており、最低15単位の取得が修了の条件になっています。
平均の受講期間は3ヶ月ですが、3日間集中コースなどもあり、短期間での講座修了も可能です。通信講座の場合は、3回の添削をクリアすることで修了証明書がもらえます。
この講座を修了している人だけが漢方養生指導士の資格認定試験を受けることができます。講座を修了していれば、その他の受験資格は不問で、性別・学歴・年齢(未成年の場合は、講座受講時に保護者の承諾が必要)などに関わらずチャレンジすることが可能で間口の広い資格のひとつです。
漢方養生指導士の上位資格
漢方養生指導士には上位資格があり、知識や経験を増すごとにステップアップしていくことが可能です。
初級講座では漢方の基礎を学びますが、中級講座では、養生の知識を実践していく方法を学んでいきます。中級講座の認定試験を合格した人は「漢方スタイリスト」と呼ばれるようになります。
さらに、知識を深めたい人は上級講座を受講し「漢方上級スタイリスト」を取得することもできます。また、養生のなかでも特に食事を用いた「薬膳」の分野を深く学ぶ養生薬膳講座もあります。
この講座を受講することで「薬膳アドバイザー」への道も開けます。漢方や養生に関する知識を極めて「プロ」になっていくという目標を持つ人のための上位資格もあります。漢方薬物学コース、漢方診断学コースという2つの講座を修了すると「漢方臨床指導士」の資格認定試験を受けることができます。
この資格試験に合格すると「漢方カウンセラー」として認定され、診断・治療学を修めた者として漢方処方を使いこなせるプロになることができます。このように漢方養生指導士は、誰にでもチャレンジしやすい資格でありながら、よりいっそうスキルアップをしていこうと思えば、漢方のプロを目指せるほど奥深く学んでいくことができるのが大きな特徴です。
現在の漢方薬の課題
現在、多くの人が漢方薬に親しんでいますが、意外と知られていないのは、漢方薬が輸入依存型の薬であり、自給率が非常に低いということです。
漢方薬の原料である生薬の80%以上が、中国からの輸入となっており、日本国内の生産はわずか12%程度となっています。以前は、日本国内においても多くの栽培農家がいましたが、生産者の高齢化等もあり減少傾向を示しており、それに伴い生産量も減ってきています。
現在、中国国内においても需要が高まっていると言われており、すでにいくつかの生薬について輸出制限がかかっています。漢方薬を今後も継続的に使用できるようにするためには、生薬の安定的な供給を構築することが非常に重要になってくると考えられます。最後に私がおすすめするサイトを掲載してい起きますので、ぜひご覧下さい。
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