デジタル時代に落語のブーム

皆さんは落語を聞いたことはありますか?

最近、落語を聞く20~30代の若者が増えている。また経営者の多くが落語好きなのです。

それはなぜなのか、デジタル世代を魅了する、古典芸能の落語。

その魅力を知るとともに落語について解説していきます。

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【落語とは

噺の最後に「オチ」がつくのが特徴。歌舞伎など、ほかの伝統芸能と違い、落語は身振りと手振りのみで噺を進め、一人何役をも演じます。

衣装や舞台装置などを極力使わず、演者の技巧と聴き手の想像力で噺の世界が広がっていく、とてもシンプルで身近な芸能です。

 

【落語の歴史】

落語の始まりは、室町時代末期から安土桃山時代にかけて、戦国大名のそばに仕え、話の相手をしたり、世情を伝えたりする「御伽衆(おとぎしゅう)」と呼ばれる人たちでした。

その中の一人、安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)という浄土宗の僧侶は、豊臣秀吉の前で滑稽なオチのつく「噺」を披露してたいへん喜ばれました。江戸時代に入ると有料で噺を聞かせる人物が登場し、大阪では「米沢彦八」、京都では「露の五郎兵衛」、江戸では「鹿野武左衛門」などが活躍しました。こうして、「寄席」が誕生したのです。

 

【寄席で観られるのは落語だけじゃない】

ちょっとでも落語に興味があったら、ぜひ寄席(よせ)に落語を聴きに行きましょう。でも、寄席で行なわれるのは落語だけではありません。

講談、漫才、漫談、音曲、手品、曲芸など、バラエティーに富んだ番組(プログラム)になっているのです。前の落語から始まり、漫才や手品などの色物と呼ばれる演芸と、二つ目の落語がテンポよく進んでいき、最後に真打ちが登場します。

寄席という小さな小屋の中では、お客様の笑い声やかけ声が絶えず聞こえ、どことなく非日常的な、江戸時代にタイムスリップしたかのような時間が流れています。似顔絵漫談や紙切りなどでは、お客様のリクエストに答えてくれることもありますよ。

【若者の落語の火付け役】

そんな落語が若者の間でブームになっている。火付け役と言われているのが、『昭和元禄落語心中』。漫画を原作とするアニメが大ヒット。原作の寄席のモデルとなった新宿末広亭が若者でにぎわう様子がニュースにもなった。

また、落語が聞ける場所がどんどん増えていることが、ブームを後押ししている。定席(ほぼ無休で落語の公演をしている寄席)はもちろん、「渋谷らくご」などの初心者向けの落語会や、落語を聞きながらお茶や食事ができる「らくごカフェ」など、首都圏では月に1,000件を超える落語会が開催されている(寄席情報誌「東京かわら版」調べ)。
小さな寄席では入場料も1,000円程度からのものもあり、若い人たちも友達を誘って行きやすいというメリットもある。

ただ、いきなり寄席に行くのはハードルが高いという人は、PodcastやYouTubeで聞いてみるのもいいかもしれない。もし、時間がある人なら図書館をのぞいてみるのもあり。ほとんどの図書館には、落語のCDが置いてあるからだ。一度聞いて気に入れば寄席に行ってみるといい。おそらく、やみつきになるでしょう。

SNS疲れなどが指摘される昨今、デジタル世代が癒やしを求める落語の世界をのぞいてみて、笑いの世界にひととき浸かってみてる若者が増えている。

 

【年収1000万の半数が落語好き】

雑誌「プレジデント」が2011年に実施した調査では、平均年収1,000万以上の調査対象者の43.4%が落語好きという結果になっています。お笑い番組を週1回以上見るという人も多く、人気番組として「笑点」が上がりました。

彼らの約7割が日ごろから話にオチをつけるように工夫していると回答しており、初対面でも笑いをとって相手の心をつかむ人は4人に3人に上ります。プロの経営者ほど、笑いやユーモアのセンスを大切にしているといわれています。こうしたコミュニケーションスキルを磨くために、落語を役立てている人も多いようです。中には、落語を聞くだけでは飽き足らず、自ら芸を磨いて高座に上がる経営者もいるといいます。

落語は、マクラ+本題+サゲで構成されます。マクラでは世間話をしたり、本題と関係する小咄を挟んだりして観客の気持ちを解きほぐし、落語の世界にいざなう役割を果たしています。また、落ちや本題につながる重要な単語でも、現代の日本人にはあまりなじみがないと思われるものを、マクラの部分でさりげなく解説していることもあります。

落語の寄席では通常、その日の演題は事前に発表されません。噺家はマクラを通じてその日の客層や観客の反応を探り、場にふさわしい演題を選んでいるのです。
こうしたスキルは、人前で話す機会の多い経営者にとっても大いに役立つことが分かっているのです。

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【寄席に行ってみよう】

 

1.行きたい寄席を探そう

寄席は年中無休

寄席は、毎日やっています。「昼の部」は正午前から、「夜の部」は、だいたい午後5時前くらいから始まります。基本的に入れ替え制ではないので、一日じっくり落語に浸ることもできます。(寄席や公演によって違うので、正確なスケジュールは直接寄席に問い合わせてください。)
また、お正月は顔見世興行といって、通常より出演者が多く、一日三部構成になります。

 

3.演芸場を調べよう

落語芸術協会が出演している寄席は、新宿「新宿末廣亭」、浅草「浅草演芸ホール」、池袋「池袋演芸場」、上野「お江戸上野広小路亭」、三越前「お江戸日本橋亭」、半蔵門「国立演芸場」、横浜「横浜にぎわい座」があります。ほかにも、地域寄席やホール落語などいろいろなところで落語は聴けます。居酒屋や蕎麦屋でやることもあるんですよ。

新宿「末広亭」

新宿「末広亭」

・上席、中席、下席で番組が変わります

寄席の出演者や内容は、上席(毎月1日~10日)、中席(毎月11日~20日)、下席(毎月21日~30日)ごとに変わります。初めて寄席に行くなら、知っている落語家(噺家)が出演するときを選んで行くのがいいでしょう。寄席は小さいところが多いので、落語家が身近に感じられますよ。
また、事前に誰がどの噺をするのかも知りたいところですが、残念ながらそれは難しいです。芸人は、自分の演じるものが他の出演者とかぶってしまわないよう、当日、出番を待っている間にネタ帳を見ながら決めるのです。

・親子には親子寄席もオススメ

寄席は、老若男女が集まるところ。子供連れのご家族もよく見かけます。ただし、あまり小さなお子様は他のお客様に迷惑になることもありますので、ご考慮ください。地域寄席や行政主催の公演などでは、親子で楽しめる「親子寄席」を催すこともありますので、そのような機会を利用するのもいいでしょう。

 

・演芸場を調べる

・公演スケジュールを調べる

 

・チケットの予約は必要ありません

行きたい寄席が決まったら、あとは行くだけです。寄席では席の予約・前売りなどはない場合がほとんどですので、「近くまで来たからついでに寄席でも」と、気軽に行くことができます。

 

・服装はもちろん自由

おしゃれをしたり、着物を着ていく必要はありません。普段着で気軽にお出かけください。ただ、寄席によっては着物割引などもあるので、慣れてきたらチャレンジしてみるのも楽しそうです。

 

3.寄席に着いたら

「木戸」がすべての入口です

チケットは、寄席の木戸で買います。入場料のことを木戸銭といい、子供には子供料金が設定されています。木戸には、案内の人が立っているので、混み具合などを聞いてみましょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

落語ブームについて解説していきました。

知れば知るほど奥が深い落語ですし、デジタル化の現代だからこそ、見る価値があるのではないでしょうか。

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