集中力を上げる食べ物5選

 

脳を活性化させ、記憶力や集中力を高く保つには、どのような食べ物が効果的なのでしょうか?

今回は、そもそも集中力とはと、脳の仕組みから仕事や勉強をスムーズにこなすため、効果的な食材とその理由を解説します。

DHAを多く含む青魚、ブドウ糖を摂取できるバナナ、チョコレートなど、なじみ深いものばかりなので、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。

頭の回転が速くなったり、集中力の低下を防げたり、記憶力を保てたりといった嬉しい効果の期待できる食べ物をご紹介します。

 

【集中力とは】

集中力とは、ある物事に気持ちや注意を集中させて取り組む能力のことをいいます。
人はもともと、ひとつのことに集中するのは得意ではありません。原始の時代、人は外敵から身を守るために常にいろいろなことに意識を分散して、危険を回避しながら生きてきました。ひとつのことに集中しないことで、命を守ってきたといえます。

 

【集中する脳の仕組み】

ヒトの脳の大脳新皮質はその場所ごとに役割があり、そのうちの前頭葉という部分が集中力にかかわっていることがわかっています。前頭連合野は他の連合野からの情報を統合して倫理的な判断や将来の予測、計画の立案などを行います。喜怒哀楽といった感情のコントロールも行います。

脳の活性化には、神経伝達物質がかかわっています。その中でも集中力を高める効果のある神経伝達物質は次のようなものがあります。

・βエンドルフィン:気分を高揚させたり、多幸感をもたらします。
・ドーパミン:快感を倍増させ、別名「快楽ホルモン」と呼ばれます。
・ノルアドレナリン:血圧を上昇させ、意欲を生み出します。
・セロトニン:落ち着きや安定感をもたらす、別名「多幸ホルモン」と呼ばれ、不足すると不眠症やうつ病のリスクが高まります。

集中に関係している神経の集まりにはA10神経群と自己報酬神経群があります。
A10 神経群は物事や情報に気分の感情や気持ちと結びつく名前を付ける役割があります。「面白い」「好き」や「つまらない」「苦手」などのラベリングをされた情報が前頭前野に伝えられ、ポジティブなラベルの情報は保存されて自己報酬神経群へと届けられます。それが刺激となってヤル気や集中力を高めることにつながる仕組みがあります。

もうひとつの自己報酬神経群の神経伝達物質は主にドーパミンで、このドーパミンによってポジティブな名前が付けられるといわれます。
自己報酬神経群は達成して報酬を得ることを目的として働きますが、達成する直前に最も活性化するといわれます。反対に、達成できることがわかった瞬間に活性が弱まる傾向があります。

このように脳内ではいろいろな神経伝達物質や神経群の複雑な相互作用によって集中する仕組みが作られています。

 

【脳は疲れない】

人は、一定時間あることに集中していると「疲れた」と感じます。この疲れは体の疲れであり、脳が疲れているわけではありません。なぜなら脳は、何か作業をしていなくても、眠っている間にも、生命維持のために働き続けています。脳は物理的な作業で疲れることはないといわれます。人の集中力や脳の働きは、その作業や物事に対する興味や信念の強さに比例すると考えられています。

 

 

【集中力が上がる食べ物】

1.チョコレート

集中力を高められる食べ物として人気があるのが、チョコレートです。受験勉強や仕事をするときに、チョコレートを食べたことがある方も多いでしょう。チョコレートには、糖分の一種「ブドウ糖」や苦味成分である「テオブロミン」、苦みや渋みの成分である「ポリフェノール」など、集中力を高めるといわれる成分が豊富です。

また、チョコレートの原料であるカカオの香りは、自律神経のバランスを整えてくれます。自律神経の調整は、肩こりや首こりなどを解消しやすくなるのもメリットです。

そして、チョコレートには思考力や記憶力を高める効果も。そのため、チョコレートは仕事中のおやつとしてぴったりな食べ物だといえます。

 

2.バナナ

バナナは手を汚さずすぐに食べることができ、消化もいいので手軽なおやつとして適しています。バナナには脳を活性化させるといわれるトリプトファンが含まれています。トリプトファンは脳において重要な役割のあるセロトニンの材料となります。

セロトニンは人が覚醒しているときに分泌されており、脳を最適な覚醒状態に維持する作用があります。興奮しすぎず、ボーっとしていない適切な覚醒状態は、集中力を高め、維持するには最低条件ともいえます。
またセロトニンは自律神経のバランスを整え、安定した心理状態を作る働きがあるので、集中力の低下やイライラなどを改善します。

 

3.玄米とそば

集中力と血糖値には大きな関係があります。それは、「血糖値が上がっているときは集中しやすく、血糖値が下がっているときは集中力が切れやすい」という関係です。血糖値が一気に上がると、下がるときも急速になるので、昼食時には血糖値を緩やかに変化させる「低GI食品」をなるべく摂取するようにしましょう。

代表的な低GI食品は、玄米やそばなどが挙げられます。昼食後の集中力低下に悩んでいる方は、低GI食品を食べてくださいね。

 

4.ガム

メジャーリーガーは、積極的にガムを噛みながらプレーしています。これはガムを噛むことで脳からα波が出て、集中力を高めることがわかっているためです。他にもガムを噛むことが脳に与える影響が明らかになっています。

噛むことは脳の血流を促進し、脳の運動野、感覚野、前頭前野、小脳などを活性化させます。特に脳の前頭前野は判断や感情、行動、記憶などをつかさどる分野なので、集中した状態を作るためには有効です。また噛むことで、脳の記憶をつかさどる海馬という部分が刺激されて、記憶力を高める効果もあるといわれます。

 

5.ナッツ類

ナッツ類、特にクルミにはオメガ3(n-3系)脂肪酸のα-リノレン酸が多く含まれます。α-リノレン酸もDHAやEPAと同じ仲間の脂肪酸で、体内で合成することができない必須脂肪酸です。α―リノレン酸は植物性の食品に含まれるオメガ3脂肪酸で、脳神経の発達や維持、活性化など役立ち、集中力や判断力を高めるには欠かせない栄養素といえます。またα-リノレン酸は体内でその一部はEPAやDHAの材料として働きます。1日に10~25g程度のナッツ類を間食としてよく噛んで食べましょう。ナッツ類は比較的高カロリーの食品なので、食べすぎには注意が必要です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

集中力を上げる食べ物をご紹介していきました。

他にもまだまだ集中力を上げる食べ物はたくさんあるので、ぜひご自身でも調べてみてはいかがでしょうか。

皆さんが日々最高のパフォーマンスを出せれば幸いです。