先物取引とは
商品先物取引に興味を持っているものの、内容を掴みづらいと感じている方は多いと思います。
中には、株式投資や投資信託より難しそうと感じている方がいるかもしれません。
商品先物取引も基本さえ押さえれば難しくありません。誰でも気軽に参加することができます。
今回は、商品先物取引の仕組みを解説していきます。
【先物取引とは】
先物取引とは将来の売買についてあらかじめ現時点で約束をする取引のことです。現時点では売買の価格や数量などを約束だけしておいて、将来の約束の日が来た時点で、売買を行います。
前もって売買の価格を決めておくことができるので、価格変動する商品の売買につきものの価格変動リスクを回避できるという利点があります。
本日 | 将来 |
---|---|
本日はあらかじめ 売買価格や数量を約束します。 |
そのときの価格がいくらであっても 約束した価格で売買します。 |
【先物取引の仕組み】
先物取引とは、名前がその仕組みの一部を表していますが、商品を現在より先の日付で特定の価格で売買することを、現段階で取り決めをしておく取引のことです。
なお、先物取引には金・原油などの工業製品を対象とする先物取引と、株価や国債などを対象とする金融先物取引がありますが、今回は後者の金融先物取引を中心に話をしていきます。
例えば、為替は毎日変動していますね。日本円とドルの関係を見てみると、円安になると輸出業者は得をしますし、円高になると逆に損をしてしまいます。
為替の動きは輸出・輸入を行う業者にとっては死活問題なわけです。
なんとか収益を安定させる方法はないものだろうか・・?
そこで、現段階で将来にわたるドルの値段を決めておこう、ということになるわけです。
例えば、現在1ドルが100円だったとします。輸出業者は1ドルの商品を100円で売却するわけですね。
仮に1ドルが120円になったとすると、同じ1ドルを売っても120円で売却できますし、逆に1ドルが80円になると1ドルの商品を売却しても80円しか手元に残りません。
そこで、今のうちから例えば半年後に、100円で1ドルを売却します!という取引を行うのです。
仮に半年後に1ドルが80円になり、1ドルの商品を売った時に得られるお金が80円しかなかったとしても、100円で1ドルを売却している取引をかわしているわけですから、1ドルを100円で売却すれば良いのです。
1ドルは80円なわけですから、20円分得をします。逆に半年後に1ドル120円になっていたとすると、1ドル100円でしか売れないわけですから、本来120円受け取れるところを100円しか受け取れなくなってしまいます。
【先物取引のメリット】
1.商品ごとに限月がある
先物取引には株式投資と異なり取引に期限があります。株式やFXと違って下がっているから様子見をしておこうということは出来ません。この取引の期限は限月といい、商品先物の決済限月の最終日の取引のことを納会と言います。
つまり買いから取引をした場合には限月までに売る必要があり、売りから取引を始めた場合にはその期限までにものを売り渡す必要があるのです。
この限月は1ヶ月または2ヶ月の感覚を開けて6限月設定されています。それぞれ1番限月、2番限月というように呼ばれ、決済期限が当月のものを当月切りと呼びます。また、決済の期限が近い限月を期近と呼びます。
決済期限が遠い限月は期先と呼ばれ、限月が近づくと取引量も自動的に減ってくるため、期近よりも期先の限月のほうが取引量は多くなる傾向があります。そのため、期近で取引をしようとすると市場に流通している枚数が少なく、思うように価格が変動しないこともあります。
2.証拠金が少額でも取引可能
先物取引を行うには証拠金を預けることが必要ですが、商品先物の場合は日経先物と比べても証拠金が少なめに設定されています。その分高レバレッジですので高い利益を実鋳込むことが出来ます。
しかし、リスクコントロールを間違えるとすぐに証拠金がマイナスになり追証のリスクも発生するため注意が必要です。具体的にどの程度の倍率かと言えば、2018年10月上期の価格は一番理取引の盛んな金は66,000円、金ミニは6,600円から参加することができます。
一番証拠金が必要な原油でも115,000円ですので、約7,000円~120,000円までの証拠金で金の価格は1g4,700円台ですので、4,700,000万円分の取引をすることが出来ます。レバレッジは約70倍程度となっています。
【先物取引のデメリット】
1.商品によって取引時間帯が異なる
先物取引は日中の取引とナイトセッションの2つの取引があり、日中は8時45分~15時15分まで、ナイトは16時30分~翌5時30分までとかなり長い時間に渡り取引ができることが魅力の一つとなっています。
しかし投資する商品によっては取引の時間帯が異なることもあります。具体的には、ゴムだけは19時までの取引となっているため注意が必要です。他の金や原油などは翌朝まで取引が行わているので問題ありません。
ゴムに関しては生産地が東南アジアに集中しているため、どうしても日中中心の取引になりやすいこともありナイトセッションが組まれておりません。反対に他の商品は世界中に取引所があるため取引は安定してできます。
2.商品が多い
先物取引は株式やFXの通貨ペアと比べれば少ないほうですが、それでもかなり多いです。具体的には金、金ミニ、金限日、金オプション、銀、白金、白金ミニ、白金限日、パラジウム、ガソリン、灯油、原油、中京ガソリン、中京灯油、ゴム、とうもろこし、一般大豆、小豆が取引対象です。
これだけ多い場合は複数のものを取引していると情報が錯綜して損失を出してしまうこともあります。英語表記のものも多いため翻訳するのに手間取るということもあるでしょう。
自由に選べる半面どれを選んでいいかわからないケースや複数の対象を選んで手が回らないということもあるかもしれません。そのような場合はやはり一番ベーシックな金がいいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
先物投資に関しては少額からでも大きな利益を獲得できるというメリットがありますが、その分リスクも大きい投資方法です。
投資を始める前にはリスクヘッジに重点を置くことそして先物投資の特徴をよく把握しておくことが肝心です。
しかし、先物投資は一度仕組みを覚えてしまえばそこまで難しい投資手法でもありません。
メリットもとても多い投資方法ですので一度試してみることをおすすめします。