なぜその商品は売れるのか!~イノベーター理論~

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世の中にある商品で売れているものもあれば売れていないものもありますよね。

では、なぜ売れる商品は爆発的に売れるのでしょうか。今回はそんなモノの売れ方をお伝えしたいと思います。

 

新しい製品、サービスは次々と開発されています。私たちが普段、当たり前に使っているスマートフォンも、2007年にiPhoneが発売されるまで、これほどメジャーな製品ではありませんでした。

 

このように、世の中に新しい製品やサービスを普及させるためには、市場自体を大きくするための戦略が必要であり、市場への普及率に関する理論がイノベーター理論です。

 

イノベーター理論とは?

 

先述した通り、イノベーター理論とは、新しい製品、サービスの市場への普及率を表したマーケティング理論です。

スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャーズ教授が『イノベーション普及学』という著書の中で 1962年に提唱しました。

 

イノベーター理論では、普及の過程を5つの層に分類しており、それを基にマーケティング戦略、市場のライフサイクルについて検討することが推奨されています。

 

以下の図はイノベーター理論を示したもので、横軸は市場の成長に伴う時間的経過、縦軸はその製品やサービスを採用するユーザーの数を表しています。

 

市場の成長に伴って普及率は高まりますが、イノベーター理論では、普及のどの段階の層なのかによって5つに分類しています。

 

イノベーター理論の5つのタイプ

 

イノベーター理論の5つの層がそれぞれどのようなタイプなのかについて説明します。

イノベーター(革新者)

 

まず、最初期に製品、サービスを採用するのがイノベーター(革新者)という層です。

 

イノベーターは情報感度が高く、新しいものを積極的に導入する好奇心を持った層です。

「新しい」ということに価値を感じて、市場にまだ普及していない、コストが高い製品やサービスであっても、そのユーザーの価値観に合致したモノであれば支えてくれます。

 

割合にして市場全体の約2.5%がこのイノベーター(革新者)であると言われています。

 

事例でみるイノベーター『LINE』

 

それでは、LINEを例にし、イノベーターの解説をさせていただきますね。

 

LINEは、2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに誕生したモバイルメッセンジャーサービスといわれています。

 

運営している会社はLINE株式会社ですが、もとは2000年に『ハンゲームジャパン株式会社』という会社で、オンラインゲームやコミュニティサービスを運営している韓国NHN PlayArtが運営する日本法人として設立された会社で、2003年に『NHN Japan株式会社』に商号変更、そこから2013年4月1日に『LINE株式会社』に商号変更をし、今にいたっています。

 

アーリーアダプター(初期採用者)

 

イノベーターほど急進的ではありませんが、これから普及するかもしれない製品やサービスにいち早く目をつけて、購入するユーザー層のことをアーリーアダプター(初期採用者)と呼びます。

割合にして市場全体の約13.5%がアーリーアダプターだと言われています。

 

アーリーアダプターは世間や業界のトレンドに敏感で、常にアンテナを高く張って情報を判断し、これから流行りそうなものを採用するので、世間や業界のオピニオンリーダーやインフルエンサーになりやすい層です。

 

アーリーアダプターはこの後の層に対する影響力も大きく、5つの層の中でもアーリーアダプターの攻略は特に重要だと言われています。

 

事例でみるアーリーアダプター『LINE』

 

ここでもLINEに例えてみましょう。

 

スマートフォンは2005年頃から少しずつ普及しており、2011年から2014年にかけて利用者が急増してきました。

アーリーアダプターはスマホ普及当初からガラケーからスマホへの乗り換えを行っていたことでしょう。

 

そして、アーリーアダプターの人達は常に最新のアプリをどんどん取り入れており、2011年にサービスが開始されたLINEにもいち早く使い始めました。

 

アーリーマジョリティー(前期追随者)

 

情報感度は比較的高いものの、新しい製品やサービスの採用に慎重なのが、アーリーマジョリティー(前期追随者)という層で、市場全体の34%程度を占めていると言われています。

 

アーリーマジョリティーはアーリーアダプターの意見に大きく影響を受けるので、アーリーマジョリティーを開拓するためにはアーリーアダプターをきちんと攻略することと、製品やサービスを導入する合理性をきちんと説明できなければなりません。

 

事例でみるアーリーマジョリティー『LINE』

 

アーリーアダプター層の人から情報を得てすぐにLINEを使い始める人が、いわゆるアーリーマジョリティー層にあたります。

 

アーリーマジョリティー層が使い始めた段階では、社会全体を見るとまだまだ使っていない人も多い状態にあります。

 

レイトマジョリティ(後期追随者)

 

新しい製品やサービスについては消極的で、なかなか導入しないのがレイトマジョリティ(後期追随者)です。

アーリーマジョリティーと同様に市場の34%程度を占めていると言われています。

 

この層は、多くのユーザーがこの商品やサービスを採用している、導入側が多数派だと確証を得てから採用するユーザー層です。

この層を攻略するためには、まず普及率を高めなければなりません。

 

事例でみるレイトマジョリティ『LINE』

 

「娘がLINEが便利って言ってるし…」「孫が使ってるし、孫と手軽に話がしたい」「周りでみんな使い始めたし」といった理由でLINEを使い始めたというシニアの人達は、まさにこのレイトマジョリティー層にあたります。

 

ラガード(遅滞者)

 

最後に紹介するのがラガードという層で、市場全体の約16%を占めると言われています。

ラガードは市場の中でも最も保守的な層で、その製品やサービスがただ普及するだけではなく、伝統的、文化的なレベルまでその商品を採用することが一般的にならないと採用しない層です。

 

ラガードを攻略するためには、すでにその製品、サービスが世間の定番になっていることを訴求し、その次のトレンドとなりそうな新商品よりも安心できることを訴求する必要があります。

 

事例でみるラガード『LINE』

 

スマートフォンが世の中に出回り始めてから12~3年、LINEがサービスを提供しはじめてからはまだ10年経過していません。

 

その為、LINEを事例にすると、まだラガード層は存在しておらず、レイトマジョリティーにとどまっているいるといえるでしょう。

LINEの世界においてラガード層が誕生するためには、今後ますますのスマートフォンの普及やインターネットの速度UP、利用料金の低下など外的な要因が必要になるのではないでしょうか。

 

キャズム理論とは?

 

アーリーアダプターが商品普及の鍵を握るという理論に対し、アメリカのマーケティング・コンサルタントのジェフリー・ムーアは、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に大きな溝(キャズム)があると指摘しました。

 

イノベーターとアーリーアダプターを合わせた初期市場は商品の目新しさを望む層であるのに対し、アーリーマジョリティやレイトマジョリティで構成されるメインストリーム市場は商品への安心感を求めていることから、この2つの市場の間には価値観の相違が見られるのです。

 

よって、アーリーアダプターに普及したからと言って、簡単にアーリーマジョリティへ普及するとは限らないのです。

この理論は「キャズム理論」と呼ばれています。

 

キャズムを越えるためには?

 

それでは、このキャズムを乗り越えるためにはどうすれば良いのでしょうか。

 

前述の通り、アーリーマジョリティは商品に安心感を求めています。よって、アーリーアダプターへの普及を考える際に、その先のアーリーマジョリティへの普及も見据えなければなりません。

というのも、一部のアーリーアダプターしか商品を購入していないということは、安心感を求めるアーリーマジョリティの購入にはつながらないからです。

 

例えば、インフルエンサーを用いてアーリーマジョリティが商品に安心感を抱くよう促したり、アーリーアダプターに良い口コミを書いてもらえるよう商品の良さを訴求したり、アーリーアダプター寄りのアーリーマジョリティに商品を購入してもらい事例を作ったり、ということが施策として挙げられるでしょう。

 

このように、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの価値観の違いを理解した上でマーケティングを考えることが必要です。

 

まとめ

 

モノやサービスが売れるにはしっかりとしたマーケティングが必要ということをご理解していただけたかと思います。皆さんも何かを新しく始める際にはしっかりと戦略を立てて取り組むようにしましょう。最後にわたしがおすすめするリンク先を掲載しておきますので、ぜひご覧ください。

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