数字で見るマーケティング

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皆さんはマーケティング用語をいくつ知っていますか?すべて挙げ出すとキリがないくらいあります。そんな中で今回は数字にまつわるマーケティング用語をいくつかお伝えしたいと思います。

 

1:5の法則/5:25の法則

1:5の法則は、新規顧客に販売するコストは既存顧客に販売するコストの5倍かかるという法則です。

 

5:25の法則は、顧客離れを5%改善すれば、利益が最低でも25%改善されるという法則です。

 

ともに出どころが明確でない法則ですが、ここではその成り立ちをとやかく言うことよりも、両法則が示す内容にこそ注目すべきでしょう。

 

1:5の法則が意味するのは、同じ金額を支払う顧客でも新規顧客は販売に対するコストが高く、利益率を低くするということです。5:25の法則が示すのは、顧客の維持率を改善すれば、利益はその5倍改善されるということです。

この2つの法則を単純に組み合わせて出る答えは、同じコストなら既存顧客の維持にかけたほうが利益は向上するということです。

 

もちろん、話はそう単純ではなく、企業にとっては新規顧客の獲得も重要な課題であることには変わりません。

 

ただし、こうは言えるのです。限られたリソースを効果的に配分しようとするなら、中長期的な戦略にもとづき、顧客の維持率・離反率と新規顧客の獲得のバランスを十分考慮した上で、計画的に既存顧客の維持と新規顧客獲得の施策を実行していくことが重要である、と。そうした戦略、計画がない限り、事業はいつまでたっても、短期的な目標を追いかけるだけの自転車操業の状態を抜け出せないでしょう。

 

3C分析

3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)という3つの「C」について分析する方法で、事業計画やマーケティング戦略を決定する際などに用いられます。

3C分析

 

マーケティング戦略を決定する際、自社ではコントロールできない外部環境と自社の内部環境の両面から見ていく必要がありますが、3C分析では外部環境として「市場・顧客」「競合」、内部環境として「自社」を分析対象としています。

 

その昔、マッキンゼーの経営コンサルタントだった大前研一氏が自著『The Mind of the Strategist』(1982年)の中で3C分析を提唱し、世界的に広く知られるようになりました。

 

同著では、市場・顧客、自社、競合の立場の異なる3つの視点で分析し、戦略立案をする方法とその効果を解説していて、この3つの視点の関係を「戦略的三角関係(strategic triangle)」と呼んでいます。

現在では、3Cの他に、4Cや5Cなど、さまざまなバリエーションが存在します。

 

3C分析のマーケティング上の目的

 

3C分析のマーケティング上の目的は、市場・顧客、自社、競合のそれぞれの分析からKSF(Key Success Factor:成功要因)の発見につなげることです。KSFを導き出せば、事業の成功に向けて進むべき方向性が見えるようになります。

 

自社と外的要因を照らし合わせることで、自社の強みや弱みが抽出できるため、最も効率的なマーケティング活動に集中できるのです。単に分析して終わりではなく、マーケティング戦略に生かすための知見を得ることが目的だと理解しておきましょう。

 

4Cと4P

マーケティングミックスとは、マーケティング戦略の成果を出すためにマーケティングツールを組み合わせることです。

マーケティングミックスの代表例として4Cや4Pが知られており、以下の4つのCと4つのPを指しています。

 

【4C】消費者側の視点

 

・価値(Customer Value

・コスト(Cost

・利便性(Convenience

・コミュニケーション(Communication

 

【4P】企業側の視点

 

・製品(Product

・価格(Price

・場所(Place

・プロモーション(Promotion

 

4Cは1990年にロバート・ローターボーン、4Pは1960年にエドモンド・ジェローム・マッカーシーによって提唱され、現在のマーケティングの基本として広く認知されている考え方です。

 

4Cと4Pは対になる

 

もともとあった4Pに対して、買い手の視点から再定義したのが4Cです。そのため、4Cと4Pはそれぞれの要素が対応しており、この2つの観点を軸とした上でマーケティング戦略を練っていくことが重要です。

以下では、対応している4Cと4Pを順番に見ていきましょう。

 

価値(Customer Value)と製品(Product

 

価値とは、製品やサービスの購入によって得られる広義の価値を意味します。製品そのものだけでなく、アフターサービスを受けられる、情緒的ベネフィットを得られる(楽しい気分になれる、優越感に浸れる)なども価値に含まれます。

 

一方、製品とは、売り手の視点で見た、品質や機能、ブランド名、サービスなどのことです。

 

当たり前ですが、買い手が欲しいと思わなければ売れません。買い手のニーズをしっかりと捉え、そのニーズを満たす製品やサービスを提供することが求められます。

 

コスト(Cost)と価格(Price

 

コストは製品やサービスを検討する際の重要な要素の1つですが、買い手が製品やサービスに支払う金額は、コストの一部でしかありません。コストを考えるときは、購入や利用時の移動時間なども含めて考えます。

 

また、価格については売り手が状況に応じて値下げや割引などを行い、買い手が納得できる価格を提示できるかがポイントとなります。

 

利便性(Convenience)と流通(Place

 

製品やサービスの入手しやすさが利便性です。どんなに優れた製品やサービスも、それらが入手困難であれば、買い手に届けることができません。

 

売り手にとっての流通は買い手にとっての利便性と表裏一体であり、同列に考えるべき要素でもあります。したがって、販売エリアや販売方法(直販をするのか、販売代理店と契約するのか)など、流通チャネルの最適化に取り組む必要があります。

 

コミュニケーション(Communication)とプロモーション(Promotion

 

マーケティングを成功させるためには、買い手と売り手の間の双方向のコミュニケーションが不可欠です。

売り手は一方的な製品やサービスの情報提供に終始するのではなく、買い手の声に耳を傾ける必要があります。コミュニケーション活動の一環としてコールセンターを設置する企業も少なくありません。

 

一方、プロモーションとは広告、人的販売(販売員による直接的なマーケティング手法)、販売促進などを指します。近年はインターネットの普及により、SNSマーケティングやコンテンツマーケティングなど、プロモーション手法は多様化しています。

 

マーケティングミックスの活用方法

 

STP分析を行う

 

ターゲットを絞り込んだ上でマーケティングを行った方が、マーケティングを効率的に進められるため、マーケティングミックスを活用するときは最初にSTP分析を行います。

 

STPはSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の略で、市場の細分化、ターゲット市場の決定、ターゲット市場における競争優位性の設定を行うことをSTP分析と呼びます。

 

STP分析では、年齢や性別、家族構成などの人口動態変数(デモグラフィック変数)、ライフスタイルやパーソナリティーなどの心理的変数(サイコグラフィック変数)といった切り口で市場を細分化してから、どの市場をターゲットとしてどのようなポジションで自社の特徴を発揮するのかを検討します。

 

4Cと4Pに当てはめて検討を重ねる

 

STP分析を参考にマーケティングミックスの4C、もしくは4Pの各要素を書き出し、内容が適切であるか、先に述べたそれぞれの要素間に矛盾はないかを確認しましょう。

 

例えば、高級製品の販売には、流通業者を制限せずに広範囲で製品を流通させようとする開放的流通チャネル政策は向いていません。ブランドイメージを高めるため、流通業者を一定程度に絞る選択的流通チャネル、もしくは流通業者を制限する排他的流通チャネルを採用することが一般的です。

 

まとめ

 

数字で見るマーケティン用語いかがでしたか?さまざまな手法を用いて皆さんが扱っている商材を効率よく売上を上げていってもらえればと思います。

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