猫が舌を出す理由
猫が舌を出す様子は飼い主にとって愛しくてたまらないですよね。猫にとって重要な仕事を担っている舌を出す行為には様々な理由があります。猫が問題が無く舌を出す場合と、身体が不調で舌を出す場合との違いを見分けていきたいと思います。
□リラックスしている
猫は本来、とても警戒心の強い動物ですが、人間に飼育され、飼い主さんとの信頼関係が築かれた飼い猫は警戒心が解かれ、リラックスしている時間が長くなります。安心しているときは筋肉もゆるみ、思わず舌を出してしまうようです。
性格的にもおっとりしていて、子猫の頃から完全室内飼いの猫によく見られます。また、とくに睡眠中は、ぺろんと舌を出しっ放しでいることが多いです。
反対に野生の猫はつねに警戒しており、筋肉も緊張しているため、舌を出す余裕はあまりないようです。
□毛づくろいしていたり、うっかりしていたり・・・・・
猫はきれい好きで、起きているあいだ、頻繁に毛繕いをしています。舌をブラシ代わりに全身をくまなく舐め、汚れを落とすのですが、長く舌を使っていると疲れてしまい、ついつい舌をだらりとたらしてしまうことがあるようです。短毛種より長毛種の方がブラッシングがたいへんで、より疲労は大きそうですね。
この毛繕いや、大きなあくびの途中、あるいは食事の最中などに呼びかけたりすると、そちらに気を取られ、舌をしまい忘れてしまうことがあります。
□舌を出すことが多いネコ種も
顔立ちに特徴のある、「ヒマラヤン」「ペルシャ」「チンチラ」「エキゾチックショートヘア」など、下あごの小さい猫の種類は、舌を出すことが多いようです。猫の舌は重要な役割があるので、長めになっていますが、上記の猫種たちは下あごが他の猫種に比較して小さいために、舌を口の中にしまいづらいことがあるようです。
□歯がない
子猫でまだ歯が生えそろっていないときや、高齢になって歯が抜けてしまったときは、舌がでてしまうこともあります。通常は前歯があるので舌が抑えられていますが、歯がないと舌が出てしまいます。
高齢の猫で、最近舌が出ているなと思ったら、歯が抜けてしまっていないかチェックしましょう。
□病気の可能性
猫は、基本的に暑いからと言って口を開けて舌を出すハアハアとした呼吸をしません。
舌を出すだけではなく呼吸が荒く、苦しそうな様子や、食欲不振で元気がない、吐くなどの症状が出る場合には、病気の可能性もあります。口臭がしたり、よだれを出したり、口の中の色に変化がある場合も注意が必要です。すぐに病院を受診してください。
■猫が舌を出す病気
猫は免疫力が下がっていると、口内炎に罹患しやすくなり舌を出します。
そして、歯肉炎から歯周病に進行すると、口の中に痛みや違和感があり、口を閉じることが難しくなったり、よだれを出したり、舌を出すことが多くなってきます。そして食欲も不振になりますので、特に高齢の猫が舌を出すなどの症状が出た場合は、注意をしてください。
◇口腔内に異物や腫瘍などの病気
猫の口腔内に異物が入っていれば、口を閉じられなく舌を出すことになります。同じく、腫瘍が猫の口腔内にあり、大きくなってくると、口の開閉も困難になり、猫が舌を出すことが多くなります。
◇呼吸系の病気
心臓や肺など、猫が呼吸器系の病気に罹患すると、鼻だけの呼吸では苦しくなり、舌を出すなどハアハアと開口呼吸をすることがあります。
猫の症状に数日気が付かないと、命に関わってきますので、日頃から愛猫の様子には注意をしてあげてくださいね。そして舌を出す猫が、苦しそうであったり、吐いたりした場合は早急に病院を受診してください。
◇熱中症の症状の1つ
熱中症でも猫が舌を出すことがあります。現在の猫とともにいる場所を涼しくしたり、冷たい水で濡らしたタオルを猫の首筋や脇の下にそっと当てたりします。しかし猫の身体が冷えてしまいますので、当て過ぎには注意してください。
猫が舌ペロ状態になっている理由はいくつかありました。もともとあごが小さく、舌が出やすい種類の子もいますし、歯がないためにペロッと出てしまう子もいます。リラックスしているときや、毛づくろい中に舌を出したまま休憩することもあります。
まれに病気が原因になっていることもあります。普段の猫の様子を観察して、病気になっていないかチェックしてあげましょう。