ACジャパンとは
歩きタバコや幼児虐待など、いわゆるマナーや道徳についてのテレビCMを見た人は多いことかと思います。
これらのCMはACジャパン(旧公共広告機構)が放送しているCMです。
では、そのACジャパンとはどのような機関なのでしょうか?
今回はACジャパンについて解説していきます。
【ACジャパンとは】
ACジャパンとはどんな組織なのでしょうか?
ACジャパンとは公共広告によって国民の公共意識を高めることを目的に活動を行っている民間団体になります。
まずは、民間団体であるということが重要かと思います。
つまり、番組中に流されるACジャパンのCMは政府などが関与していない、公共のマナーをCMを通じて改善しようという意識から生まれたものになります。
もともとは1971年の関西公共広告機構が前身になります。現在のACジャパンに名前が変更されたのは2009年になります。
運営は会員による会費制となっていて一般企業、放送業界、新聞業界、広告業界などが会員となっています。正会員社数は1000社を越える規模となっています。
ACジャパンのCMは7月から翌6月にかけてが広告キャンペーン期間となります。7月を境に広告が変わる仕組みになっていますが、キャンペーン期間の広告は20種類くらいといわれています。
そのため、地震や大災害などで広告がさし変わる場合にはどうしても同じ広告になってしまいます。
過去、東日本大震災以外で大幅にCMが差し替えられて例としては
・昭和天皇の崩御
・阪神・淡路大震災
などの時が挙げられます。
また、最近では番組内容の問題から日本テレビのドラマ「明日、ママがいない」でスポンサーからCMを止めてほしいという申し出がありACジャパンのCMに切り替えた例があります。
【様々なキャンペーンをおこなうACジャパン】
ACジャパンの主な活動は、テレビにおける公共CMの制作と放送です。
広告の持つ強力なメッセージ性を活かして、毎年20種類以上の広告を制作しており、”ご当地CM”化されているCMもあります。
さらに、通常はテレビCMを流さないNHKにおいても、ACジャパンのCMが放送された実績があります。
またACジャパンでは、テレビCMだけでなく、新聞などの紙媒体にも広告を掲出しています。
ACジャパンにおける主なキャンペーンは、「全国キャンペーン」「地域キャンペーン」「支援キャンペーン」に分かれています。
全国キャンペーンでは、日本に住む人の多くに共通する社会問題を訴え、地域キャンペーンでは地域ごとで顕著になっている社会問題について広報しています。
また、支援キャンペーンでは、「あしなが育成会」や「エイズ予防財団」、「骨髄移植推進財団」といった公共福祉に貢献する団体に向けたキャンペーンを行なっています。
また、こうしたACジャパンの活動は、公共社会に貢献していることが認められています。
現在では教育の一環として、学生のCM制作活動を支援しており、「ACジャパンCM学生賞」が毎年開催されています。
これは、公共広告の制作を通じて、未来の日本を担う若い人たちに、主体的な社会への関わりを持ってもらうことを目的としています。
このように、ACジャパンはさまざまな活動を通して、社会をよりよくすることを目指しているのです。
【地震や大災害の時にCMが切り替わるわけ】
あなたもテレビをご覧になっているときによく、ACジャパンのCMを見るかと思います。特に、東日本大震災のような場合には多くのACジャパンのCMが流れていたと思います。
なぜ、地震や大災害の時にはCMが切り替わるのでしょうか。
この、一番の理由はスポンサーの意向と言われています。テレビ番組はだいたい1ヵ月前にはすべてのCM枠を決定しています。こういった場合に地震や大災害が起こると番組はすべて休止して報道番組に切り替わります。
スポンサーとしては、もともとその番組を見ている視聴者に対してCMを流し、自社やその製品・商品をアピールします。
しかしながら、災害の映像や被害者などの映像と一緒に食べ物や車など自社の製品・商品をアピールするのはかえってマイナスのイメージになってしまいます。
そのため、スポンサーはCMを流さないようにテレビ局に依頼をかけますが、テレビ局としても直前にCM枠の変更などが難しい場合もあります。こういう時に用意しているのがACジャパンのCMになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ACジャパンについて解説していきました。
ちゃんと調べてみると素晴らしい団体というのがお分かりいただけると思います。