グローバル化での日本の課題
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「国際化」に続いて「グローバル化」が推進され、地球はひとつの経済圏になろうとしています。今回は「グローバル化」の意味やいつから始まったのか、メリットや日本での身近な例などについてお伝えしたいと思います。
「グローバル化」の意味とは?
「グローバル化」とは地球規模の流動性を目指すこと
「グローバル化」は「グローバリゼーション」あるいは「グローバライゼーション」とも呼ばれているもので、グローバルの元になっているグローブ(Glob)という単語は、英語で地球のことを指しています。
したがって「グローバル化」とは、社会的・経済的な関係を地球規模にまで拡大させることを表し、具体的には「ヒト・モノ・カネ」の流れを滞らせる障壁となる国境や規制を取り除き、世界規模で結びつきを深めていくような活動が進んでいくことをいいます。
「グローバル化」はいつから?
「グローバル化」は、1991年のソ連崩壊による冷戦の終結後に使われ始めた言葉です。かつてアジア・アフリカ諸国を征服した欧米列強による帝国主義や植民地主義も、国境を越えた経済活動という点においてはグローバリズムの一種といえるものでした。
しかし列強国の間ではブロック経済が行われ、征服された国の人々の自由も制限されていたため、現代的な意味での「グローバル化」とは異なります。
「グローバル化」と似た言葉
「グローバリズム」は「新自由主義的資本主義」のこと
日本においては「グローバル化」と混同されがちな言葉として、「グローバリズム」が挙げられます。どちらも「Glob」が変化した言葉で、英語で書くとそれぞれ「Globalization」「Globalism」です。
「-ization」は名詞について「~化する」という言葉を作る接尾辞です。一方の「-ism」も接尾辞ですが、ラテン語の「-isma」が由来となっており、「主義」や「主張」を表します。
つまり「グローバリズム」は「グローバル化」とは別のもので、極端な自由競争を推進する「新自由主義(ネオ・リベラリズム)」を広げるという目的で使われるようになった言葉です。
「グローバル化」と「国際化」の違い
「グローバル化」と似た言葉として、「国際化(internationalization)」が挙げられます。「inter」は「間」「関わり」を表し、全体で国家間の関わりという意味になります。
「グローバル化」は、国家や国境をなくした世界を目指すものであることですが、「国際化」は国同士が国家や国境を前提として連携していくことなのです。
ビジネスをグローバル化するメリット
商圏範囲が拡大する
ビジネスのグローバル化によって得られるシンプルなメリットが商圏範囲の拡大です。日本という小さな島国から世界に市場を移すことで、圧倒的な母数を相手にしたビジネスが行えます。
日本が製造販売する製品は“Made in Japan”としてそのクオリティが認められており、すでに市場が勝ち残るための基盤はできています。広大な市場を手に入れることで商品力を存分に発揮して、ビジネスを一層成長させることができます。
生産コストの削減
海外諸国の中でも特にオフショア(新興国と発展途上国を中心として外国)でビジネスを展開することは、人件費の安さから高い利益を得られるということで中小企業も大企業も、多数の企業がグローバル化に取り組んでいます。
オフショアに生産拠点を設ければ、生産コストの削減が実現でき、利益率を向上したり薄利多売ビジネスの展開も可能になります。
世界規模のマーケティング
日本企業はよく「モノづくりは上手でも、売るのは下手」だと言われています。皆さんは外国製のおもちゃを買い、実際に遊んでみたらそのクオリティにガッカリしたという経験はないでしょうか?
日本製のおもちゃに比べて商品力は確実に低いのに、海外製のおもちゃが広く流通しているところを見ると、やはり海外の方がマーケティングは上手なのだなという印象を受けます。
実際に日本は世界規模のマーケティングにおいて、海外諸国からかなり遅れを取っている実情があります。なのでビジネスのグローバル化によって世界規模のマーケティングに関する実績とノウハウを積み上げ、日本が本来持つ商品力と掛け合わせることで絶大なビジネス効果を生み出せます。
新しい技術やビジネスが生まれる
日本は製造業において世界トップの技術力を持つ国ですが、情報システム業においては他国に軍配が上がります。なおもデジタル化が進む現代社会においてITはビジネスに大きなインパクトをもたらす要素ですので、これを無視することはできません。
ビジネスをグローバル化して海外拠点を設置したり、海外人材を採用することは先進的な技術を取り入れるチャンスでもあります。そうした点に着目してか、最近では日本企業による海外企業の買収案件も多数発生しています。
ビジネスをグローバル化するデメリット
メリットがあれば必ずデメリットもあります。ビジネスをグローバル化することのデメリットとは何でしょうか?
海外人材採用の難しさ
海外人材を採用するにあたって一番難しいのは、日本の人材と仕事に対する姿勢が180度近く違うことです。
日本人材は仕事に対して強い責任感を持つことが多く、給付される給与以上の働きをすることは当たり前とされています。時には“過剰サービス”と批評されることもありますが、日本の高度経済成長を支えた要素であることは間違いないでしょう。
一方で海外人材は仕事に対する責任感が無いというよりは、報酬以上の働きはしたくないという傾向があります。欠勤することは当たり前ですし、仕事中もかなり自由な姿勢で業務を行います。
そのため、日本人的感覚からそうした姿勢を見て苛立ちを感じることもあるでしょう。しかし、そんな海外人事の考えを根本から改めることは難しいので、そもそも仕事に対して責任感が強い人材を探すことが大切です。
一般的な人材確保と比べてコストはかかるかもしれませんが、グローバル化を成功させる上で欠かせない要素です。
ビジネス文化の違い
日本では約束した時間の10分前や15分前に行動することは、ビジネスマナーとして多くのビジネスパーソンがこれを遵守しています。
ただし海外で同じような行動を取ると、逆にビジネスマナーに反すると判断される場合があります。
たとえばとあるビジネスパーソンが海外現地法人に赴任した際に、マネージャーに呼び出されて約束の時間の10分前に会いにいったところ、「約束の時間よりも10分も早いじゃないか!」と叱責されたそうです。
マネージャーとしては約束した時間までにこなさなければいけない仕事があったり、その時間をちょっとした休憩にしたりするため、時間通りに到着してもらわないと困る、という至極もっともな意見でした。
話として聞けばなるほどと頷けるマナーも、実際にそうした境遇に遭わなければ日本のビジネスマナー感覚で行動してしまい、思わぬトラブルを招くことがあります。ビジネス文化のギャップは、グローバル化においてリスクとして管理すべき要素です。
情報管理の課題
ビジネスのグローバル化で一番難しい課題が“情報管理”でしょう。海外拠点が現地法人化し、かつ独立しない限り日本にある本社が経営意思決定を下してくことになります。
そのため世界規模での情報管理が必要になるのですが、これがかなり難しい課題です。
日本企業が運用するITシステムを海外拠点に適用することは難しいので、一般的には現地のITシステムを導入することになります。一見効率的ですが、日本企業のITシステムと整合性が取れないことで情報管理を非常に複雑にします。
現地ITシステムで生成するデータフォーマットが本社のそれと異なっていたり、さらに情報をExcelやメール等で共有しなければならず、本社ではその情報を加工した経営判断材料として使えるようにする必要があります。
そのため、数週間前の情報を参照しつつ海外拠点の経営方針を見ているという企業は少なくありません。
ビジネスのグローバル化を成功させるためには、やはりリアルタイムな情報共有基盤を整えることが大切です。
まとめ
今回はグローバル化に関してご紹介しました。インターネットの普及で国を超えての情報収集が容易にできるようになった現在だからこそ、グローバルな考え方を持つ必要がありますね。最後に私がおすすめするリンク先を掲載しておきますので、ぜひご覧ください。
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