宗教の始まり
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皆さんは宗教に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。良いイメージを持っている方もいれば、あまり良くないイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
今回はそんな宗教の歴史とどのような種類があるのかをお伝えしたいと思います。
なぜ宗教が生まれたか
宗教は、もともと人間にはどうにもならないことが起きたとき、それを説明するために、生まれたものです。
例えば、津波や雷、噴火などは、当時、原因が分からなかったので、きっと神が怒っているのだろうと考えます。
また、病気や日照り、不作も、神の怒りではないかと言い出す人がいて、みんなきっとそうだと信じ込みます。
そのため、儀式を行い、神への捧げ物をして、豊作を願ったり、雨ごいをしたり、病気治しを祈ったり、願ったりするのが、宗教です。
何か大いなる力に祈って、自分ではどうにもならない欲望を、満たして欲しいということです。
他にも、なぜ地球があるのだろうかとか、人間はどうやって生まれたのか、
などの疑問も、神が創ったということで、みんな納得していました。
宗教は、長い間それでよかったのですが、17世紀頃、科学が始まってから、少しずつ権威が失われ始めました。
宗教の苦境
それというのも、これまで人間に分からなかったことが、科学によって解明されてきたからです。
キリスト教では、地球の周りを太陽が回っていると教えていたのですが、ガリレオ・ガリレイなどが、太陽の周りを地球が回っていると主張し始めました。
18世紀になると、ベンジャミン・フランクリンが、雷は、電気であることを解明しました。
19世紀には、コッホが、病気は細菌が原因になっていることをつきとめ、ダーウィンは、人間は神が創ったのではなく、別の生物が進化したものだという進化論を発表します。
こうして、客観的な観察にもとづく科学や医学の進歩によって、神の力ではない本当の原因が、次々と分かってきたために、近年、科学と相容れない宗教の権威は低下してきたのです。
宗派の種類ごとの違い
浄土三部経(じょうどさんぶきょう)
浄土宗
浄土宗は阿弥陀如来を本尊とする宗派で、浄土三部経のひとつである観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)を主な経典として扱っています。
開祖は法然(ほうねん)で、念仏を唱えることで極楽浄土に至れるとしています。そのため、修行による成仏に関しては否定しています。
浄土宗の葬儀では、僧侶と参列者が一緒に念仏を唱えるという、念仏一会が特徴的です。
焼香は押しいただいて1~3回行います。(押しいただく:抹香を額の高さまで掲げること)
浄土真宗
浄土真宗は阿弥陀如来を本尊とする宗派で、浄土三部経のひとつである無量寿経(むりょうじゅきょう)を主な経典として扱っています。
開祖は法然の弟子であった親鸞(しんらん)で、浄土宗と同じく修行による成仏は否定しています。
浄土宗と基本的な部分は同じですが、浄土宗では念仏を唱えるのに対して、浄土真宗では心に思いさえすれば成仏できるとしています。
戒律はそれほど厳しくなく、最初に肉食妻帯を許可したのも浄土真宗です。
浄土真宗は「他力本願」「往生即身仏」という考え方であるため、葬儀では授戒と引導を行いません。焼香は押しいただかず、1回だけ行います。
時宗
時宗は阿弥陀如来を本尊とする宗派で、浄土三部経のひとつである阿弥陀経(あみだきょう)を主な経典として扱っています。
開祖は一遍(いっぺん)で、阿弥陀仏への信心に関わらず念仏を唱えれば往生できるとしています。
時宗の大きな特徴として、踊念仏(おどりねんぶつ)があります。これは太鼓や鉦などを打ち鳴らし、踊りながら念仏を唱えるというものです。
現在では実演されている地域が少なく、重要無形民俗文化財に指定されています。時宗の葬儀は、浄土宗に倣います。焼香の作法は特に定められていません。
法華経(ほけきょう)
日蓮宗
日蓮宗は釈迦を本尊とする宗派で、法華経を主な経典として扱っています。
開祖は日蓮で、自身の名前がそのまま宗派の名前になっています。日蓮宗の場合、主な経典が法華経というよりも、法華経以外の経典はまず利用されません。
完全な法華経中心の教義です。
日蓮宗の葬儀では、死者を霊山浄土に導くことを目的としています。
そのために、南無妙法蓮華経を中心に、様々な仏や菩薩などの名前が書かれた十界曼荼羅(じっかいまんだら)を本尊に掲げます。焼香は押しいただき、3回行います。
天台宗
天台宗は特に定められた本尊がない宗派で、法華経を主な経典として扱っています。
開祖は最澄(さいちょう)で、円・密・禅・戒の全てを大切にしています。天台宗で学んだあとに開祖となった人も多いため、他の宗派との違いが最も少ないという特徴があります。
法華経中心ではありますが、朝題目に夕念仏(あさだいもくにゆうねんぶつ)という考え方があり、夕方は阿弥陀経が中心になります。
天台宗の葬儀では、故人に菩薩となるための円頓戒というものが授けられるという特徴があります。焼香の作法は特に定められていません。
大日経・金剛頂経(だいにちきょう・こんごうちょうきょう)
真言宗
真言宗は大日如来を本尊とする宗派で、大日経と金剛頂経を主な経典として扱っています。
開祖は空海で、日本で唯一の純粋な密教です。密教は教えを修めた限られた人たちの間でのみ信仰が許されるとしているもので、真言宗では他の宗派は全て真言密教の一部であるとし、密教に至るための過程という位置づけをしています。
真言宗の葬儀では、灌頂(かんじょう:頭の頂きに水を注ぐ儀式)や土砂加持(どしゃかじ:土砂により祈祷する事)といった行為が特徴的です。焼香は押しいただいて3回行います。
特定の経典がない宗派
臨済宗
臨済宗は特に定められた本尊のない宗派で、特定の経典もありません。開祖は栄西(えいさい)で、座禅を悟りに至る手段であるとする禅宗のひとつです。
公案禅という、与えられた公案に対して座禅をしながら答えを工夫するという座禅が行われます。特定の経典はありませんが、般若心経や金剛般若経などが読まれます。
臨済宗の葬儀では、授戒と引導が中心となっています。焼香に指定はなく、1回行います。
曹洞宗
曹洞宗は釈迦を本尊とする宗派で、特定の経典はありません。開祖は道元(どうげん)で、臨済宗と同じく座禅を中心とした禅宗のひとつです。
臨済宗の公案禅に対して、曹洞宗では何も考えずただひたすらに座禅する黙照禅が行われます。
特定の経典はありませんが、道元の著書である正法眼蔵や法華経などが読まれます。
曹洞宗の葬儀では、太鼓や鈸(はつ)を打ち鳴らす鼓鈸三通(くはつさんつう)が行われます。焼香は2回行いますが、1回目は押しいただき、2回目は押しいただきません。
仏教以外の宗教
神道
神道は日本古来の宗教で、八百万の神という世界的にも珍しい信仰を行っています。
本尊に値するものは、それぞれの神社に祀られている神やご神体です。神道では仏教における経典に値する神典というものがありますが、特定の教義を示すものがあるわけではなく、古事記や日本書紀といった書物をもとに祭祀を行います。
神道の葬儀においては、祝詞が奏上されます。焼香は行われませんが、代わりに玉串奉奠(たまぐしほうてん)という儀式があります。
キリスト教
キリスト教は、世界中で最も信仰されている宗教です。
キリスト教は偶像崇拝が禁止されているため、信仰対象である神そのものの偶像はありません。
代わりに、救世主であるイエスやその母マリア、あるいはキリスト教で認められた聖人の偶像に祈りを捧げることがあります。
仏教の経典に当たるものとしては旧約聖書と新約聖書があり、葬儀においては聖書の朗読や神父による説教、賛美歌の斉唱などが行われます。
神道と同じく焼香は行われず、代わりに献花が行われます。
まとめ
今回の内容いかがでしたか?一言で宗教といっても様々なものがあることがお分かりいただけたと思います。
何事にも興味を持ってみることが大切だと思いますので、皆さんも身の回りの様々なことに関しての歴史を調べてみると面白いことがわかるかもしれませんよ。最後に私がおすすめするリンク先を掲載しておきますので、ぜひご覧ください。
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