花言葉の由来
皆さんは花言葉をご存知ですか?
何気なく使っている花言葉ですが、元々は誰が何のために考えたのでしょうか。
今回は花言葉の由来などを紹介していきます。
【花言葉の起源】
色んな説がありますが、発祥は、17世紀頃のトルコだと言われています。トルコでは、恋人への贈り物として、文字や言葉ではなく、「花に思いを託して恋人に贈る風習(セラム)」があったそうです。
これが、ヨーロッパ中に広がり、各国でその花のイメージからその国のオリジナルな花言葉が出来上がったそうです。
イギリスのイスタンブール大使夫人だった、メアリー・W・モンタギュー夫人がそんなトルコの人たちの風習を花言葉の文化として、イギリスで一冊の本を出版したのが、一番の始まりだと言われています。その本が後にヨーロッパおよびアジア・アフリカまで伝えられたそうです。
この花言葉の文化がヨーロッパで流行るキッカケを作ったのが、フランス人の女性です。
仏国では、上流階級の間で好意を寄せる人への思いや悪口・批判などを、花や植物に例えて詩にする文化が流行し、このようなエッセイを書き綴ったノートを回覧していました。
1819年12月にシャルロット・ド・ラトゥールが書いた「 Le Langage des Fleurs 」(直訳で「花の言葉」)が出版されるとフランスで大ブームとなり、こぞって人々が使う様になりました。
それがヨーロッパに広がり、日本にも伝えられたのです。
【花言葉の由来】
花言葉はそれぞれの国の歴史、風習、神話や伝説から生まれ、当然宗教的な事も関わってくるため、同じ花でも花言葉が全然違う場合があります。
日本に花言葉が「輸入」されたのは19世紀末の明治初期だと言われています。当初は、輸入された花言葉をそのまま使っていましたが、やがて日本人の風習や歴史に合わせて日本独自の花言葉が形成されていきました。
ちなみに日本では花が咲くのは野菜も同じです。ダイコンの花言葉は潔白、牛蒡は人格者、ほうれん草は健康と、野菜でもちゃんとした花言葉があるそうです。
【花から受ける印象は人それぞれ】
同じ花を見ても、人により受ける印象は違います。
例えば、日本人は桜がぱっと咲いてさっと散る姿から、桜に潔さだったり儚さだったりを連想しますが、それを知らない外国人は桜に潔さや儚さを感じないでしょう。
チューリップには「思いやり」という花言葉がつけられていますが、どうでしょうか? チューリップを見て「思いやり」が思い浮かびますか? この花言葉のもとは、オランダに伝わる物語にあります。
チューリップにまつわるオランダの物語
3人の騎士にそれぞれ宝冠、剣、黄金を手にプロポーズされた少女が、一人に決めることができず、花の女神に頼んで自分を花に変えてもらったという言い伝えがオランダにあります。
その少女が姿を変えたのがチューリップで、チューリップの花が宝冠を、葉が剣を、球根が黄金をあらわしていると伝えられています。
3人の騎士それぞれを立てたので、この少女は思いやりがあるということになったようです。
この物語を知っていれば、「思いやり」の花言葉もなるほどと思えます。
でも、日本人のわたしたちにしてみれば、チューリップといえば小学校の花壇に咲いている印象の方が強いので「可愛らしい」印象ですよね。
▲「最後の晩餐」(レオナルド・ダ・ヴィンチ)右から2人目がユダ
たとえばバラやチューリップなど、さまざまな色の花がある場合、黄色い花にはあまり良くない花言葉がつけられています。
黄色いバラの花言葉は「愛情の薄らぎ」「嫉妬」、黄色いチューリップの花言葉は「望みなき愛」「失恋」です。
黄色い花に良い花言葉が与えられない理由をご存知ですか? じつはこれはキリストの12人の弟子に由来します。
キリストの12使途の一人、イスカリオテのユダは、銀貨30枚と引き換えにイエスを裏切ります。
その裏切り者のユダが着ていたのが黄色い衣服だったと言われています。さらに英語のyellowには「腰抜け」の意味があります。これに由来して、黄色い花には良い花言葉が選ばれないのです。
キリスト教圏には浸透したイメージなので外国人に贈る花には、黄色を選ぶのは避けたほうが良さそうです。
でも無宗教国家日本では、あまり気にする必要はなさそうに思えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
花言葉ついて、紹介していきました。
知っていると、色々と使える場合もあるので、参考にしてみてください。