薬剤師・くすりの歴史
私たちの生活に医療はかかせないものになっています。風邪を引いたり怪我をした時には医療機関を受診し、薬局で薬をもらうというのが当たり前になっています。
では私たちが処方される薬や薬局はどのようにして現在の形になったのかをお伝えしていきたいと思います。
薬剤師という職業
今でこそ世界各国に薬剤師という職業がありますが、かつては医師がその役割を担っていました。
日本でも、20年ほど前までは医師が薬剤を調剤するケースは珍しくありませんでした。役割が分かれ、薬剤師が誕生した歴史を紹介します。
薬剤師の始まりは13世紀まで遡る
一説によると、薬剤師制度は、1240年ごろに神聖ローマ帝国のフリードリヒ2世が、主治医の処方した薬による暗殺を恐れて別の者にチェックさせたことが起源だといわれています。
のちに彼が定めた「5か条の法律(薬剤師大憲章)」では、医師が薬局をもつことを禁じ、薬の処方と調剤の業務を分離して医師と薬剤師がそれぞれを分担するよう書かれていました。これが世界における「医薬分業」制度の始まりです。
日本における薬剤師の歴史
日本に医薬分業制度が導入されたのは、それから600年以上も後の明治時代初期のことでした。
それまでオランダ医学を軸にした医療を行ってきた日本政府は、より進んだ先進医療制度を取り入れようと、ドイツから2人の医師を招きました。当時の日本の医師が診療、調剤、処方のすべてを担っている様子を見た二人は、政府に対して、「医療は医師単独で行われるものではなく、医師と薬剤師の双方によって成り立つもの。
早急に薬剤教育を施するべきだ」と進言しました。
こうして、日本では「医制」「薬律」を制定し、医師と薬剤師を専門職として切り離すことにしましたが、当時診察料よりも調剤料で生計を立てていた医師たちは猛反発しました。
こうした背景から、医薬分業制度はなかなか浸透しませんでしたが、1997年に状況が変わります。
当時の厚生省が全国37のモデル国立病院に完全分業(院外処方箋受取率70%以上)を指示したことをきっかけに、各地で取り組みが急速に進み、2015年には全国の医薬分業率がようやく70%を超えました。
それまで薬剤師は主に処方箋に応じた調剤を行っていましたが、完全分業が進むにつれて調剤のほかに患者さんへの服薬指導なども行うようになりました。
医師とは異なる立場で、専門的なアドバイスができるようになったのです。
なぜ薬学部は6年制になった?
そもそも薬学部はなぜ6年制へ変わったのでしょうか?、薬学部が6年制となったのは2006年度から、今年度で8年目となります。
私は昨年度薬学部を卒業したので7年目の2期生となります。
6年制となった理由として「薬剤師の教育の場である薬学部を6年制にすることで先進国の中で遅れている薬剤師の教育を充実させ医療の質の向上をはかる。」との目標が厚生労働省として出されたことが始まりでした。
6年制になったことによる問題点は?
6年制薬学部となって8年が経過しましたが多くの問題が山積しているというのが現状ではないかと思われます。
まず卒業後の進路選択が以前よりせばまるでしょう。4年制では病院・薬局・MR・一般企業・公務員・大学院・研究者と様々な進路があり幅広い多様性が見られました。
しかしながら6年制へと変更になった目的に”質の高い薬剤師養成″という大義名分がある為、必然的に薬剤師養成コースとなりMRなどを除き臨床系が重視される現状があります。
この為、一部の大学は専門学校化の体を成していることは否めません。
次に研究室での卒業研究期間が2.5カ月と短く修士相当の基礎研究力があるのかが疑問に思えるような状況が多々見受けられます。
短期間で出来ることは限られる為、内容も薄く、見かけだけとなり大学によっては研究力の著しい低下が起きている現状は今後薬学にとって大きな影響を生じかねません。
続いてくすりの歴史について見ていきましょう!!
いきなりですが皆さんに質問です!
Q 「くさかんむり」に「楽」と書いて、どうして「薬」(くすり)になるのでしょう
A 「薬」とはふつう、病院で処方してもらうもの。
待合室で同病相憐れむのが好きな「病院マニア」ならともかく、大多数の人にとっては、薬をもらうのはけっして楽しい経験ではありません。なのになぜ、「くさかんむり」に「楽」なのでしょうか?
「薬」に「くさかんむり」が使われていることについては、そんなに驚くことではありません。漢字はもともと中国で生まれたもの、中国の薬といえば漢方薬、漢方薬といえば、草の根っこだったり木の皮だったり……。
大昔から、人間が植物を薬として利用してきた歴史を思えば、薬を表す漢字に「くさかんむり」が使われているのは、むしろ当然のことといえるでしょう。
問題は「楽」の方です。そしてこちらは、残念ながら例によって諸説分かれているのが現状です。ここでは、その中で一番有力らしいものをご紹介しておきましょう。
それは、この「楽」は「療」のことで、「いやす」という意味だ、というものです。「療」は「治療」の「療」ですから、「いやす」という意味があるのは、もっともです。
でも、そう言われたって、なぜ「楽」が「療」につながるのかは、私たち素人にはサッパリわかりませんよね。
その疑問に答えてくれそうなのが、『大漢和辞典』に載っている、図のような「やまいだれ」に「楽」(樂)と書く漢字。この漢字の意味は「いやす」、音読みはリョウで、「療」と全く同じです。とすると、「薬」とは、「療」の「やまいだれ」が「くさかんむり」に変わっただけともいえるのです。
現在使われているくすりの基礎は、いつごろ築かれたのでしょうか。
医学の父とされる古代ギリシャのヒポクラテスは、ヤナギの皮や枝から鎮痛薬(ちんつうやく)をつくったと伝えられています。
やがて19世紀になると、その効用に注目したある学者が、カワヤナギの葉や小枝を化学的に分析した結果、サリチル酸が得られました。
サリチル酸こそ、鎮痛・解熱(げねつ)作用の有効成分だったのです。サリチル酸は、のちにリウマチの治療にも盛んに利用されましたが、同時に胃腸障害などの強い副作用が現れました。
そこでサリチル酸の副作用を抑(おさ)える研究がおこなわれ、その結果、化学的に変化を加えて化学合成されたくすりが、鎮痛薬としてよく知られるアセチルサリチル酸(アスピリン)です。近代のくすりの開発には、このように副作用を減らし、効果を高めていくような化学的な研究が寄与(きよ)しており、くすりの開発は近代化学の発展に大きな貢献を果たしてきたといえます。
漢方薬ってどのようなものなの?
漢方薬は「生薬」と呼ばれる、自然界に存在する植物、動物や鉱物などの薬効となる部分を、通常は複数組み合わせて構成されています。
たとえば、生薬の桂枝(けいし)、芍薬(しゃくやく)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)を組み合わせたもので「桂枝湯(けいしとう)」という漢方薬がつくられています。
漢方医学では、患者さんを心身両面から総合的に捉(とら)え治療するという全人的医療の考え方があり、また人間が本来持っている自然治癒力を高めるという考え方があります。
そのため漢方薬は、体質に由来する症状(冷え症、虚弱体質など)や検査に表れない不調(更年期障害(こうねんきしょうがい)の症状など)の治療に効果があります。
生薬の組合せが変わると、ある生薬の薬効が増強されたり毒性が抑制されたりして、有効性や安全性が大きく変化するのが特徴です。つまり漢方薬としての薬効は、個々の生薬の薬効の総和ではなく、構成生薬の組合せによって得られるものです。
まとめ
今回は薬剤師やくすりの歴史に関してまとめてお伝えしました。
医療業界はまだまだ解明されていないこともたくさんあります。直接治療をする医師、症状を和らげるために様々な薬剤を処方してくれる薬剤師、実際に処置をする看護師、最新情報の提供に携わるMRと医療業界の仕事を挙げ出すときりがないですが非常に専門性があり、やりがいのあるしごとだとおもいます。
最後に医療業界に関する転職等に関するサイトを掲載しておくのでご覧下さい。
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