【トヨタが自動車を作るのをやめる!?】~モビリティカンパニーとは~

2018年1月、日本の経済発展を支えた大企業、トヨタをが『「自動車をつくる会社」から、「モビリティカンパニー」にモデルチェンジする』と発表しました。2020年現在もトヨタはモビリティカンパニーへの変革を進めており、つい先日はその実現に向けてNTTと提携する事を発表しておりました。

では皆さま、そもそも「モビリティカンパニー」とは何なのでしょうか。

こちらの記事では

 

  • モビリティカンパニーとはなんなのか?
  • なぜTOYOTAはモビリティカンパニーを目指すのか?
  • 豊田社長に影響を与えた言葉

という構成でまとめています。

 

 

モビリティカンパニーとはなんなのか?

 

モビリティカンパニーとは何なのか?その前にまず「モビリティ」という言葉の意味を確認していきます。

 

モビリティとは動きやすさ、移動性、機動性のことである。 交通分野では、人が社会的活動のために交通(空間的移動)をする能力を指す。 一般にモビリティは、個人の身体的能力や交通手段を利用する社会的・経済的能力、交通環境によって左右される。

引用=Weblio辞書

 

モビリティとは「移動をする能力」。つまりTOYOTAがモビリティカンパニーになると言う事はこう言う事です。今までは「車を製造し、販売する会社」であったのに対し、これからは「移動そのものをサービスとして構築し、提供していく会社になる」と言う事です。

移動そのものをサービスにという考え方に関しては下記の記事でも記載していますので是非併せて読んでいただければと思います。

 

MaaSとは?

 

 

なぜTOYOTAはモビリティカンパニーを目指すのか?

 

「クルマを作る会社」からの脱却とは10年前のトヨタでは想像すらできなかった動きです。最近の自動車業界は「100年に一度」というほど激動の連続であり、トヨタがここまでの改革に乗り出したのは、クルマ作りだけでは生き残れないという危機感があるからでしょう。

 発端は2009年にあったと考えられます。この年、Googleが自動運転車の研究開発をはじめ、ライドシェアというサービスを発明したUber Technologiesが生まれました。

 Googleはその後、自動運転部門をWaymoとして独立させ、FCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)やジャガー・ランドローバー、そしてルノー・日産グループと提携を結びました。
 Googleの自動運転車両の実験走行距離は、トヨタを含めた他の会社を大きく引き離しており、米国ではすでに自動運転タクシーの商用サービスも始めています。

 Uberが手がけたライドシェアは、スマートフォンのアプリを用いてマイカーのドライバーと移動者(Uberではライダーと呼ぶ)をマッチングさせるという斬新なサービスを提供。その後、中国DiDi、シンガポールGrab、インドOlaなどが続々登場した。ちなみに、上記4社の筆頭株主になっているのはソフトバンクです。

 

これらの時代の変化により、 自動車に対するニーズが「所有」から「利用」へとシフトしていると言えるでしょう。そんな中でもはやクルマの販売だけで収益確保する事はむずかしくなっている。それがTOYOTAが「モビリティカンパニー」にかじを切った大きな理由だと言えます。

 

 

豊田社長に影響を与えた言葉

 

上記の時代的変化とともに、TOYOTAの豊田章男社長のモビリティに対する考え方を変えたのにはある2人の方の言葉が大きく影響しているそうです。

そのうちの一つがあるパラリンピアンの言葉で、

「私は自動車事故で未来を奪われ、

車を恨んでいました。でも今日、トヨタがパラリン
ピックの支援をすると聞いて、これからの私の未来
をつくるのも車だと思いました」。

もうひとつが国際パラリンピック委員会前会長であり、現在はトヨタの社外取締役を務めているクレイヴァン氏の言葉、

「障がいのある方が、より社会に参加するためには、移動の自由が鍵を握る」というものです。

これらの言葉を受け章男社長は「モビリティによって、すべての人に移動の自由と楽しさをお届けすること。“Mobility for All”をめざすことこそが、自動車会社がやるべきこと」だと語っています。

また、「私たちが忘れてはいけないもう一つの軸は、それが愛の付くモビリティであることです。「愛車」と呼ばれるように、クルマには愛が付きます。自動車会社出身であるトヨタのモビリティには、必ず愛が付くことにこだわっていきたいと思います。」とも語っております。

私は以前、トヨタは人を大切にする会社だと聞いたことがありました。その上でこのエピソードと章男社長の言葉を聞いて、トヨタが大切にしている”人”というのはトヨタの社員と言う事だけではなく、この世に生きる人全体を大切にしていきたいという想いがあるんだと感じました。Mobility for All、是非実現してほしいですね。

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?TOYOTAがクルマを作る会社から移動というサービスを提供する事に舵を切ったように、これからの会社はモノを提供するだけでは生き残れなくなっているのだと思います。とはいえ、TOYOTAは現状まだまだ自動車産業としての規模も世界トップクラスです。その中でこういう大きな変革に臨めるというのはTOYOTAにはまだまだ未来があるかもしれないな。そう感じました。

私たちも、これからはモノを提供するだけでは生き残っていけません。いかにして人々の暮らしを良くしていけるのか?そこを徹底的に考え、新しいサービスを提供できるようになりましょう!

 

 

 

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