WHO(世界保健機関)ってどんな組織?

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現在、世間はコロナウイルスのニュースでもちきりになっています。中でもよくWHOという組織が度々出てきますが、皆さんはWHOに関してどこまでご存じですか?今回はそんなWHOという組織に関してお伝えしたいと思います。

 

WHOの概要

 

世界保健機関 (World Health Organization: WHO) は、「全ての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立された国連の専門機関です。

1948年4月7日の設立以来全世界の人々の健康を守るため、広範な活動を行っています。現在の加盟国は194カ国であり、我が国は、1951年5月に加盟しました。

日本はWHO加盟国として、WHO総会や我が国が所属するWHO西太平洋地域の各種会合に積極的に参加し、我が国の保健医療分野の対策に資するべく国際的な情報を入手すると共に、世界の保健課題への貢献も行っています。

 

組織(本部はスイス・ジュネーブ)

 

(1) 事務局長: テドロス・アダノム(エチオピア)

2017年7月1日就任。現在、就任1期目であり、任期は2022年6月30日まで。

 

(2)地域事務局: 加盟国は、世界6つの地域(アフリカ、米州、南東アジア、欧州、東地中海、西太平洋地域)のいずれかに属し、各地域には地域事務局があります。

日本は西太平洋地域(30加盟国、マニラに事務局)に所属しています。

 

健康すべてを担う唯一かつ核心的国際衛生組織

 

 世界保健機関(WHO)を短く言い表すと「健康」を守り、害するものから防ぐ唯一かつ核心をなす国際衛生機関。もって「平和」の実現に寄与するのが目的です。

 

 WHO憲章前文に定める「健康」とは「病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること。つまり最近よく聞く感染症対策はむろんのこと、精神的な病や生活環境にまで及びます。

 

 代表的な取り組みが国際疾病分類(ICD)の作成です。

あらゆる病気とけがの分類と死因など約5万5000項目がまとめられていて多くの国が参照し、日本だと医療保険の支払いなどの基準にもなっています。1900年に第1版が学術団体によって作られ、WHO創設後に移管されたのです。

 

国連安保理や経社理と連携しつつ一定の独立性保持

 

 国際法上の位置づけは国連憲章に規定されています。

国際連合が第2次世界大戦で枢軸国(日独など)と戦った連合国の流れを汲む経緯上どうしても安全保障理事会が中心となりがちで、少なくとも制度上その風下ではないと位置づけたい勢力が憲章制定の過程で平和構築に必要な経済的、社会的問題を取り扱う同格の組織を求めました。

 

 軍事力の大切さ(安保理)は認めつつ経済、社会的な国際協力もまた紛争の予防や安定に役立つと唱えたのです。

訴えは結実して国連憲章10章で「経済社会理事会」(経社理)が明記され安保理と同等の主要機関と位置づけられました。

 

 憲章はまた国連が「促進しなければならない」義務として「保健的国際問題」を挙げ、その分野を司る組織が国連と連携する高度な自治性を持つ専門機関となると定めます。

1946年7月、経社理がWHO憲章を採択、48年に設立されました。

 

 こうした努力は前身組織の苦い経験に基づきます。1920年、国際連合の先輩的存在である国際連盟が設立され、翌年保健機関(LNHO)が連盟の指揮監督下で誕生しました。

しかし連盟そのものにアメリカが不参加と脆弱さは否めず、第1次世界大戦を教訓とした連盟が「保健」をともすれば専門家(医学や疫学)の技術的課題とみなし安全保障を主とする政治的課題を優先しがちでした。LNHOは「そうではない。

国境を越えての公衆衛生や不況対策などの経済社会問題も十分有益だ」と主張しましたが結果的に第2次世界大戦を防げなかったのは周知の事実。

 

 また世界規模の公衆衛生や健康に関する国際組織は、LNHOに先立つ07年に国際公衆衛生事務局がすでに設立されていてアメリカも参加したので目的が重なる国際団体が2つ併存していたのです。

さらに43年、枢軸国からの被害を助けるため連合国によって救済復興機関も創設され分化が一層進みました。

 

 したがってWHOのような「唯一で核心的な国際衛生機関」が独立に近い形で生まれるのは先達の悲願となったのです。

 

世界の感染症対策における役割・権限

 

 以来WHOは特に脅威な伝染病であるコレラ、ペスト、黄熱、天然痘、回帰熱、チフスの6疾病を報告対象として監視。

うち天然痘は1980年に撲滅宣言、回帰熱やチフスは公衆衛生の徹底や治療技術の向上で減少し、今はコレラ、ペスト、黄熱の3つです。

 

 例えばペストはかつて防ぐ手段がなく、もっぱら隔離政策が取られました。しかし移動手段の発達につれてこうした封じ込めの効力は限定的となり、なればこそ国際協力が重要なのです。

人間が勝手に作った国境線に細菌やウイルスが「忖度」するはずもなく、他方で重大な感染症の被害にイデオロギーや普段の好き嫌いを言い募るのも愚かだと誰もがわかっています。

 

 ただ国家のメンツや自国の対応能力への認識不足が自発的な協調をはばむのも現実で、だからこそWHOの司令塔的役割が期待されるのです。

WHOのロゴの意味

 

なぜヘビと杖?

 

杖「アスクレピウスの杖」と呼び、ギリシャ神話「医学神アスクレピウス」に由来しています。アスクレピウスは、アポロンの息子の一人で、幼少時より医学に才能を示し、診断学・薬学・外科学などを修得し、ついに死者までをも蘇らせるほどの腕となったと言われています。

しかし、彼があまりにも死者を蘇らせるため、死者の国の王ハーデスの訴えにより、神々の王であるゼウスによって殺されてしまい、死後は天に上げられて「へびつかい座」となり、神の一員に加わったとのことです。彼がいつも「聖蛇が巻き付いた杖」を持ち歩いていたことから、その杖がいつしか医学のシンボルとなりました。

 

「アスクレピオスの杖」は、医の象徴として、WHOの他、各国の医師会のマーク、救急車の車体、軍医や衛生兵の兵科記章にも用いられています。

 

まとめ

 

WHOに関しての内容いかがでしたか?少し内容は難しいものになっていますが、知っていて損はないと思います。

また、WHOのロゴの意味は皆さん知っていましたか?こういった些細なことに関しても興味を持つことでそこからたくさんの情報を入手することができます。

ぜひ皆さんも気になったことは積極的に調べてご自身で情報を取りに行ってもらえればと思います。最後に私がおすすめするリンク先を掲載しておきますので、ぜひご覧下さい。

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